食にこだわるあまり、人の家で勝手に料理を…
Aは、普段の食事やお弁当には、冷凍食品、加工食品を一切使わずすべて手作りしているそう。また、Aの娘が赤ちゃんのころは子どもの離乳食もすべて手作りで、出先でもお手製の離乳食を持参するほど。今も娘のおやつは手作りだそうです。
一方の私はレトルトの離乳食や既製品のお菓子を与えることも多く、Aの食事の投稿を見るたび「毎日すごいな。うちの食生活を知られたら何か言われそう」と、子どもたちが赤ちゃんのころからひそかに思っていたのです。
そんな中、先日新築のB宅に、Aと私を含む専門学校時代に仲のよかった4人が子どもたちとともに招かれました。5年ぶりに再会し、私や友人の子どもたちもすぐ打ち解けワイワイ楽しく過ごします。しかし、お昼は各自持参し各々で食べ、おやつなどは持ち寄ったものをわけて食べようということにしていたのですが、そこで問題が起こったのです。
各自持参したお昼は、Aはもちろん手作り弁当、Bは冷凍ピザや麺料理、Cはスーパーのお弁当、私はファストフード店のテイクアウトでした。テーブルには、ケーキやお菓子などの手土産もたくさん並び、みんなで「いただきます」をしようとする中、Aは明らかに不機嫌な顔……。
そして「え、みんな当たり前に手作り弁当かと思った」「ジャンキーな食事見るとめまいがするのよね」「それ子どもに食べさせるの?」と、みんなが用意した物を全否定したのです。Bはすかさず「人の食事に口出しするのはやめようよ。AのSNS見てて全部手作りなのは素敵だなって思うけど、私たちだって普段ちゃんとごはん作ってるよ。久しぶりだし楽しく過ごそう?」と諭しました。
しかし、それにもかかわらずAは「家族の健康管理は妻の役目よ」「私のSNSを見てるんでしょ? 忙しくても食事だけはちゃんとしてるわ」と引き下がりません。そして、「B、台所借りるわよ! 見てらんないから私が今から作るわ」と言うと、返事を待たずに勝手に冷蔵庫を開けるではありませんか! Bが「ちょっと!!」と静止しようとすると、Aが「何この野菜室……何も使えるものがないじゃない!!」と叫び、立ち尽くしたのです。みんなで持ち寄った昼食を目の前にして、一気に場の雰囲気が重くなります。
すると、Aの5歳の娘が「私もみんなみたいにハンバーガーとかピザ食べたい」と言い出したのです。Aは「何言ってるの。こんなごはんは体が悪くなるのよ。あなたとパパのことを思って、毎日私がどれだけ時間をかけてていねいなごはんを作ってるかわからないわけ?」と怒ると、Aの娘は泣き出してしまいました。
その様子を見た9歳のBの娘が、「みんなと楽しく食べるごはんが一番おいしいんだよ。手作りでも買ってきた物でも、全部作った人の思いがこもってるの。いただきますの前にけんかしないで!」と、大人顔負けの発言を。
まさか9歳の子どもに注意されると思わなかったであろうAは、あ然。「何よ。みんな体を壊しても知らないんだから。……でも、楽しい場の空気を壊してごめん」と、不満気ながらもひとまず謝罪したのです。その後、無事に食事を開始し、Aも食事について何も言うことはなく、みんなで楽しい時間を過ごしました。
その後のおやつタイムでは、結局AもAの娘も、手作り品以外に手をつけることはありませんでした。みんなで集まるときのおやつまでも手作りにこだわるのかと、少し驚きましたが、ふたりともみんなと楽しみながら食べていたようでした。
食への考え方は各家庭で異なるものです。そして、冷凍食品やファストフードを好むも好まないも人それぞれ。Bの娘のように、両方に配慮した視点を持ちたいと思いながら、「みんなで楽しくする食事」の大切さを改めて実感した出来事でした。
著者:山崎はる/30代・ライター。6歳の男の子と2歳の女の子の元気いっぱいな兄妹を育てるママ。共働き夫婦だが、夫が激務のためほぼワンオペ状態。家事と育児、仕事の疲れは、大好きなどら焼きを食べて癒している。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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