1回送迎したら、後日…
3歳の娘を持つシングルマザーの友人Aは、母親と実家で3人暮らしをしています。坂の多い街の高台にあるAの家は、見晴らしがいい半面、長い坂を下らないとバス停にも、買い物にも行けない場所です。ある日、Aが娘を保育園に送って出勤しようと車に乗って出ると、隣家のおばあさんが家の前に立っています。小さいころからおばあさんを知っているAは「どうされましたか?」と声をかけたそうです。
おばあさんは「ひどい腰痛で病院に行きたいんだけど、タクシーが出払っていて来てくれないのよ。でも急がないと病院が外来受付を閉め切ってしまうわ」と困った様子。そこでAは「大変でしょう。私が運転するから乗って行って」と提案し、送ってあげることにしました。Aの娘は「おばあちゃんと一緒でうれしい」と喜んだそうです。
次の日、Aが出勤しようとすると、昨日と同じようにおばあさんが家の前に立っていて「悪いんだけど、よかったらまた病院へ送ってくれない?」と言います。まだ腰が痛いのだろうと考えたAはその日も、おばあさんを病院へ送りました。
しかし、その次の日も、また次の日もおばあさんはAの出勤時間を見計らったかのように「今日はスーパー」「市役所まで」と要求します。仕事に遅刻することはありませんでしたが、遠回りで登園時間は10分以上遅れ、Aの娘が「遊ぶ時間がなくなる~」とぐずってしまうこともあったそう。ついには、Aの仕事が休みの土日にまで送迎を頼んでくる始末です。
この時点ですでに1カ月毎朝足代わりにされていたA。ある日我慢の限界が来て「すみませんが、毎日遠回りして、ガソリン代もかかる中送っているんです。負担が大きいのでこれからは送ってあげられません。以前のようにタクシーを呼んでくださいね」とおばあさんに伝えました。
しかし、それを聞いたおばあさんは「なにが負担よ! 私は腰も痛いし、今タクシー代すごく高いのよ! いくらかかると思ってるの」とAにはまったく関係のない理由で怒ったそうです。「だからといって、私をタクシー代わりにしないでください」と伝えましたが「まったく、若い人は……」と聞く耳を持ちません。Aは「とにかく、もう送りませんから」ときっぱり断りました。
次の日からはAは、娘を30分早く起こし、おばあさんに会わないよう早めに家を出るようにしたそう。後日、この話はAの母親から、近所に住むおばあさんの息子に伝わり「人に迷惑かけるな」とおばあさんは叱られ、Aには息子さんからのお詫びもあったようです。それ以来、おばあさんの待ち伏せもなくなり、気まずくなったのか、顔を合わせることも少なくなったと話していました。
人にやさしくすることは素敵なことだと思いますが、善意に付け込んで利用されているような場合は、しっかりと断る勇気も大切だと学んだ出来事でした。
著者:丘エリ/30代・自営業。3歳・6歳・9歳の元気な3姉妹を育てる母。夫婦共働きで家事シェアを進めるも結局ワンオペになることがしばしば。推しのアイドルを日々の癒しとしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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