KYなエリート新人、降臨!
「どうもー。よろしくっす!」と勢いよく入社してきたのは、一流大学卒でエリートのAさんでした。もちろん学歴はすごいのですが、問題はその態度……。
「俺はここで終わる気なんかサラサラないから、そこんとこよろしくです~」と語る彼は、入社早々から周囲に対して学歴マウントを取り続けます。
「Fラン大卒って、本当に生産性が悪い。もっと効率的に仕事できないの?」などの暴言も日常茶飯事。注意しても、「俺は出世確定のエリートなんで」と、まったく耳を貸そうとしませんでした。
おかげで社内の空気はどんより。彼の言動には気が重くなることもありましたが、それでも私たちは日々の業務にまい進していました。
地域への貢献活動を拒否!?
新人の入社から4カ月ほどが過ぎました。
会社の地域貢献活動として夏祭りのボランティア参加を呼びかけられたとき、社員たちは笑顔で名乗り出ました。Aさんを除いては……。
彼は「だる……」と一蹴。「地域ボランティア? そんなもん、高学歴の俺には時間のムダ! Fラン卒にやらせろよ」と心ない発言を連発し、場の空気を悪くします。
「あのね、地元の皆さんと交流できる機会ってあまりないのよ。私たちみたいな地域に根差した会社は、こういうコミュニティでの思いやりが仕事にも影響するの」と諭しても聞こうとしません。
こうして、Aさん以外の社員たちは例年通りできるだけ一生懸命夏祭りに取り組み、地元の方々と楽しく盛り上がりました。
経験してわかる本当に大切なこと
ところが夏祭りから数日後。豪雨の影響で、Aさんが担当していた商品の納品トラブルが発生したのです。
「どうすんだよ! これで取引を終了されたらどうすれば……」と焦るAさん。私たちは地域の人脈を総動員して、使える輸送手段をかき集め、協力を仰ぎました。そのおかげでなんとかトラブルを回避。無事に納品することができたのです。
彼は初めて、地元との信頼関係の力を目の当たりにしました。そして私の父(社長)がひと言。「君は、これまでの態度を改めるかい? ここで働き続けたいなら、行動で示しなさい」
ついにAさんは、「今まで本当にすみませんでした!」と頭を下げたのです。
謝罪後のAさんは、まるで別人でした。「これ、まとめておきました!」と自ら動き、「今回は地域社会の人たちにもメリットがある、地元産業のプロジェクトなんです!」と誇らしげに語るようになったのです。
あれほど避けていた「地域」を軸にした提案ばかり持ってくる彼に、私たちも驚くばかり。
今回のことで私は、「大学のランクなんて関係ない!」と実感。仕事は仲間と信頼、地域との絆で成り立つのだと、彼の変化が改めて証明してくれたのです。これからもチームで頑張っていきたいと思います。
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初めはかなり手を焼く存在でも、実際の経験によって心を入れ替えてくれた様子。これも、彼を見捨てることなく行動で示した周りの人たちのおかげではないでしょうか。良い仲間に恵まれたようでよかったですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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