義両親も「家庭に入って夫を支えるのが妻の当然のつとめなのに、あなたは何を考えてるわけ?」と、冷たい言葉ばかり。
こんなやり取りは日常茶飯事で、結婚して数年で「離婚」の二文字が頭をよぎるようになっていました。
突然の義実家行き
そんなある日、夫が急に「明後日から親戚の集まりがあるとかで、俺の実家に帰るぞ。3泊4日でな」と言いだしました。
私にも仕事の予定があると伝えましたが、夫は「うるさい! お前がいてもいなくても変わらないだろ。早く準備しろ」と聞く耳を持ってくれませんでした。仕方なく仕事を同僚に変わってもらい、義実家へ行くことに。
当日、義実家に着くと、義両親は私を見て「よしよし、ちゃんと家政婦も連れて来たのね」と笑い、夫も「4日間雇ってやるよ。フル稼働で家政婦やれよ」と言いました。
私は深呼吸して、「わかりました。では私は……家政婦ということで」とだけ答えました。
“約束通り”の4日間
その後の4日間は、朝から晩まで親戚たちの世話、義実家の掃除、洗濯、買い出し、料理……ひたすら家事をやりました。「おい!」と呼ばれれば即対応、少しでも返事が遅いと罵られます。私は家事代行の仕事で培ったノウハウを生かし、言われるがまま動きました。
そして4日目、夫は「実家にもう少し泊まって行く」と言うので、私は先に帰宅しました。
家に戻った私はすぐに荷物をまとめ、とある書類と封筒を用意。義実家宛てに、会社の家事代行サービスの請求書と、記入済みの離婚届を速達で送ったのです。
逆転の一手
翌日、夫から電話が鳴りました。
「おい! ふざけるな! なんだこの手紙は!」
「離婚するから送ったの。私の欄は記入してあるから、書いて出してね。あと、家事代行サービスの請求書も入れておいたから、お支払いお願いします」
さらに、家事代行の記録と証拠写真、4日間の暴言をすべて録音してあることも告げると、強気だった夫と義両親が電話口で大慌ての様子。必死に謝ってきましたが、もう心は決まっていました。
離婚が成立
暴言の証拠があったためか、もめることなく離婚はスムーズに成立しました。会社に事情を相談すると、パートから正社員登用してもらうことになり、今は毎日仕事に邁進しています。
夫と義両親にひどい扱いを受けて来ましたが、心を押しつぶされるような日々はもう終わり。私は、自分で選んだ道を、自分らしく歩んでいこうと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。