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「使えない」と笑われた社会経験ゼロの48歳新人…数カ月後、全員を黙らせた衝撃の展開に

介護士として働く私にできた新しい後輩A子さん。後輩と言っても彼女は48歳の今まで専業主婦をしていたため、職業経験がないのだとか。そんなA子さんの指導係となった私は……。

 

この新人、大丈夫?

介護の仕事は大変であるものの、毎日やりがいを持って一生懸命働いている私。職場の人間関係も良好で楽しく仕事をしていました。

 

そんなある日、私の後輩になったのはA子さんという48歳の女性でした。彼女には社会人経験がなく、普段外出するのもスーパーへの買い物くらいだったのだとか。

 

人との関わりが少ないためか、A子さんは常にオドオド……。私は、人と関わる仕事である介護を彼女がうまくこなせるか不安でした。

 

そんなA子さんの教育係に、なんと私が任命されました。あいさつをしても目を合わせてくれることすらなく、元気のない様子のA子さんには不安を覚えるばかりでした。

 

ただ、予想に反してA子さんは私の指導をしっかりと聞き、頼まれた仕事はきっちりと丁寧にこなしてくれました。何カ月たってもコミュニケーション力が改善されることがないのが悩みの種ではありましたが、業務は着々と覚えていったのです。

 

そろそろ独り立ち

仕事もひと通り覚えたということで、A子さんに食事の介助をしてもらうことにした私。どうなるかと気をもんでいたのですが……。A子さんはとてもじょうずに介助をしていました。

 

他の同僚も驚くほどだったので、介護の経験があるのか尋ねてみると……。

 

「実は、ほんの10年ほど、義母の介護をしていたんです……」と小さな声で返事がありました。

 

A子さんは「10年程度」だと言いましたが、介護を独学し、ワンオペで寝たきりの義母の介護をするなど並大抵のことではありません。

 

10年も介護をしていたという実績が語る通り、A子さんは食事以外にも排泄や着替えなどの介助をスムーズにこなしていました。私の心配は霧消し、すべてを任せてもいいと考え始めました。

 

 

余計なことは言うな!?

それから数日間。A子さんの介護力の高さには利用者も満足しており、安心した様子で介護を受けている様子。私は、彼女は感情表現が苦手なだけで、根は真面目で良い人なんだと確信しました。

 

折を見て、「どうして最初に介護の経験があるって言わなかったんですか?」と聞いたところ、A子さんの口から、「余計なことは言うなと言われていて……」と衝撃の返事が。

 

どうやらA子さんの夫はかなりの亭主関白で、家事や育児を彼女に押し付け、「お前が面倒を見ろ」と義母の介護までやらせていたのです。義母が亡くなると、「ただ飯食いは許さん、働きに出ろ!」と言われ、半ば無理やりだったのだとか。

 

長年、夫から高圧的に接されていたことでA子さんは今のような性格になり、他人とじょうずにコミュニケーションができなかったのです。

 

そして彼女にすべてを押し付けた夫は、A子さんが働き出した途端に仕事を辞め、なんとギャンブル三昧だと言います。

 

うちの夫はおかしい?

A子さんの話を聞いた私には、自分のことのように怒りが湧いてきて、「離婚は考えたことがないんですか?」と思わず聞いてしまいました。

 

しかし彼女は、「離婚なんて切り出したらどう扱われるかわからないし……。もう年だからね」と諦めている様子。私は声を張り上げてしまいました。

 

「そんなのおかしい! あなたはあなたの人生を生きなくちゃ、まだまだこれからですよ」

 

それから1週間後……。私の元に、A子さんから弁護士を紹介してほしいとの相談が。知り合いに離婚案件に強い弁護士がいたため、私はその人を紹介してあげました。

 

聞けば、A子さんの夫はギャンブルで借金を作っていたらしく、督促状が家に届いたのだとか。それを見て私に言われたことを考え、夫のおかしさに気付き、ついに離婚する決意をしたのだそうです。

 

勇気を出せば人生は変わる!

1カ月後……。私が出勤すると施設の前は何やら大騒ぎ。中心には見覚えのない男性とA子さんの姿がありました。男性の正体はA子さんの夫。離婚を切り出されたため、弁護士を紹介した私に文句を言いに来たようでした。

 

「よくも人の嫁に勝手なこと言ってくれたな。A子は俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ」と怒鳴る相手に、私はひるみませんでした。A子さんへのハラスメント行為を指摘し、彼女が望むなら離婚する権利はあると言ったのです。そしてA子さんもついに夫に宣言。

 

「これまで耐えてきたせいで自分の置かれた状況が見えなくなっていたけれど、もう耐えられません。離婚します」と自分の意見をはっきりと主張したのです。

 

集まった人々に白い目で見られたA子さんの夫は、地団駄を踏みながら帰っていきました。

 

その後、A子さんは無事に離婚を成立させ、私とともに介護施設で働いています。患者さんも同僚も、A子さんの丁寧な介護には大喜び。経験豊かなスタッフとして、今や皆が頼りにしています。

 

A子さんにはこれから、新しい人生を充実させてもらいたいです。

 

--------------

夫からのハラスメントで自分の意見すら言えないようになってしまったA子さん。しかし、働きに出たおかげで第2の人生をスタートできました。勇気を出せば自分も生き方も変えることができるのですね。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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