僕の母親を見下す社長令嬢
創業記念パーティーの会場で、母は「私、場違いじゃない?」と不安気。たしかに家族同伴とはいえ、同僚たちはあまり親を連れてきておらず、母のような年齢の女性は見当たりません。とはいえ、僕は「気にしなくて大丈夫だよ」と母に声をかけました。
そんな中、僕と母が座る席に、社長の娘のA子が。そして、「ちょっと、ここ私の席なんですけど!」と言ってきたのです。しかし、この席はA子の父親である社長から直々に案内された場所で……。
母は「ごめんなさいね。私たちは席を移動するわ」と席を譲ろうとしますが、A子の怒りは収まらず、「ただの社員のくせに非常識ね」「だいたい、ファッション業界屈指のわが社のお祝いで、汚い年寄りは場違いでしょ」といった暴言まで投げかけてきたのでした。
社長が駆け寄ってきて…
結局、僕たちは席を移動し、パーティーが終わるとすぐに席から立ち上がりました。すると、社長が慌てて駆け寄ってきました。
「お、お待ちください! なぜ、このような後ろの席に……。私は最前席をご案内したはずですが」
僕が「A子さまがいらっしゃったので、席をお譲りしました」と手短に答えると、社長はすべてを悟った様子。すぐにA子のところに行き、「お前、まさか無理やり席を変えさせたのか?」と問い詰めました。
すると、A子は悪びれもせず「だって、目立つ席は社長令嬢である私が座るべき」と反発。これを聞いた社長は、あきれたようにA子に言ったのです。
「まったくお前ってやつは……この方は僕が若いころにとてもお世話になったんだ」
傲慢なA子の末路
「えっ!?」と動揺するA子に対し、母は冷静に指摘しました。
「私への暴言はさておき、あなたの服装、少し変えればもっと素敵にできるわよ!」
そう、実は僕の母は、メディアに顔出しはしていないものの、長年、スタイリストとして活動しているのです。
「えっと……」としどろもどろになるA子に社長は、「今まではお前を甘やかしすぎたが、これからは厳しくする」と宣言。「まずは、実家から出ていけ!しっかり自立しなさい」と言い放ったのでした。
その後、僕は母親譲りのファッションセンスを活かしながら、仕事に邁進。ゆくゆくは独立できるよう、実力をつけていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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