弟の内定祝いを優先する両親
結婚式が始まる時刻になっても両親が現れないため、僕は電話をしてみることに。しかし応答はなく、僕の心配は募るばかり。
ようやく母に繋がったものの、電話口からは騒がしい声が。そして母は、衝撃的な発言をしたのです。
「あー、ごめんね。弟ちゃんのお祝いをするから、結婚式には参加できないの」
さらに、母の後ろから弟も「いやー、突然ごめんなー。俺も欠席するから」とのこと。僕は動揺しながら、「前々から今日は僕の結婚式だって言っていたよね? 弟の祝いって何だよ?」と言うと、母から信じがたい説明が。
「弟くんが有名企業から内定をもらったの。だから、親族も呼んでみんなでお祝いしているの! あなたたちの小規模な結婚式なんて、私たちがいなくても大丈夫でしょ」
父親も、「これからは弟くんがわが家の大黒柱だ!」と僕の結婚式には興味がない様子。
そんな中、弟が「でも、ビデオ通話でいいから新婦の姿だけ見せてくれ」と言い出したため、僕は仕方なくビデオ通話にし、彼女にカメラを向けました。
彼女を見た弟は!?
彼女は冷静に、「みなさんお忙しいみたいなので、仕方がないですね」とひと言。
そのとき、弟はびっくりしながら言いました。
「あ、あなたは……俺が内定をもらった企業の役員じゃないか!」
そう、彼女は若いながらもスピード出世し、昨年から役員に就任したのです。
「この間は最終面接でお会いしましたね」と彼女が言うと、弟は「は、はい……」とタジタジの様子。さらに彼女は「あなた方の常識を疑います。長男の結婚式を当日になって無断欠席? わが社は人との縁を大切にしている会社です。弟さんはうちでやっていけるのでしょうか?」ときっぱり言いました。
僕は絶縁を宣言
彼女に続いて僕も宣言しました。
「もう家族ごっこはおしまいにしよう。今日で家族の縁を切らせてもらう。ずっと援助していた生活費も打ち切りだ」
3人は「生活費だけは入れてくれないと困る!!」と大慌てでしたが、僕は「それでは」と言って電話を切ったのでした。
その後、結婚式は僕の家族、親戚はゼロでスタート。婚約者側の両親・親戚は勢ぞろいで、僕はわが家の不始末を謝ろうとしましたが、彼女は「私はあなたと結婚できて世界一の幸せ者よ?」と笑顔。
義両親も、「君の家族は今日から私たちだ。いつでも頼ってくれ」とのこと。僕はその温かさに胸を打たれ、「これが本当の家族なんだ」と感じて涙したのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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