僕をバカにする問題児
新入社員が入ってくる季節になったときのこと。はじめてオフィスへやってきたはずのBが、周りの取り巻き社員と一緒に僕の部署に配属されました。
実は、彼は社長の甥。そのため、一部の社員から媚を売られているのでした。3カ月たったころ、僕が眠っている彼を注意すると「給料泥棒のくせにうるさい。大した仕事もできないんだからさっさと辞表をだせ!」と言われたのです。彼の言葉に僕は仰天してしまいました。
しかも、Bの後ろでは複数の社員が笑いをこらえている始末。そんな状況を見て、「ちょっと」と声をかけたのが社長です。Bは振り返った瞬間、
「A、Aちゃん…」
と驚きを隠せない様子でした。
社長の怒り
「なんで、今日は出張でいないんじゃ…」とうろたえるBに、「時間がずれたから、一度会社に来た」と冷静な社長。甥であるBに対し、厳しい言葉を投げかけます。
「B君。あなた、出社しても居眠りばかりで会議ではめんどくさそうにスマホをいじり、注意されても真面目に聞かないとか」
社長の発言を聞いて、「お前がチクったんだろ…!」と僕を名指しにするBに、社長は「他の社員から聞いた 」と告げました。Bの僕への態度を見て、嫌な気持ちになっていた社員が大勢いたのです。
社長から「やる気のない人に教えることはない」と冷たく言われたBは、半泣きになりながらその日は帰宅。大勢の前で指導を受けたことがショックだったのか、Bがその後、会社にくることはありませんでした。
社長の家でのお礼!?
その後、社長は「私の親戚が迷惑をかけてごめんなさい」と頭を下げてきました。僕が恐縮する中、彼女は「お礼がしたい」と言い、僕を自宅に招いてくれて……。僕は驚きましたが、「お礼だ」という社長の気持ちを断ることができず、自宅へ伺うことに。
休日、緊張しながら訪れた社長のマンション。エプロン姿で迎えてくれた彼女は、僕の好きなアップルパイを焼いて待っていてくれました。かつて、僕が入社したてでミスを連発して落ち込んでいたときに、僕を励ますために社長がアップルパイを焼いてきてくれたことを思い出しました。
「あのときから、僕は社長のことが好きなんだよな…」と彼女への思いを隠しながらも、「さっそく、味見してくれる?」と言って差し出された一口に、胸の鼓動は収まりませんでした。
明かされた真実と告白
その後も、映画を見たり、コーヒーを飲んだりする時間は夢のように過ぎていきました。
僕が帰ろうとすると、落ち着かない様子の社長。僕が「なにかありましたか?」と聞くと、恥ずかしそうに、しかし真剣な顔で
「私…あなたのことが、ずっと好きだったの」
と衝撃発言が。失敗してもめげずに努力を重ねる僕の姿をみて、社長は思いをよせてくれていたよう。社長の言葉を聞いた僕は、ずっと胸の奥に隠しておくつもりだった気持ちを伝えました。
「僕もずっと、あなたのことが好きでした」
お互いに同じ時期から想い合っていたことを知り、僕は胸がいっぱいになりました。やがて彼女が涙ぐみながら「私と付き合ってくれますか?」と差し出した手を、僕は力強く握り返しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されてないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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一新入社員と社長の接点とかある??