父の会社で働くように
この会社に勤める前は専業主婦だった私。しかし、元夫・A男の不倫と借金が原因で離婚し、父の経営する会社で働くことになりました。
職場はあたたかくていい人ばかりで、経営者の娘だからと特別扱いはせず、ちゃんと業務の指導をしてくれるのです。仕事に打ち込むうちに離婚の傷も癒え、「もっと仕事をして、みんなの役に立つ社員になろう!」と意気込んでいました。
元夫が求人に応募!?
そんなある日、父が「今日の中途面接に来る応募者の一覧表を見たか?」と聞いてきました。父から受け取った書類に目を通した瞬間、私の手は震えました。
「ど、どうしてあいつが!?」
そこにはA男の名前があったのです。父も「まさかうちに応募してくるとは……」と困惑していたものの、次の瞬間、何かをひらめいたように「この機会に、あいつには責任を取らせる」とひと言。
私が「何を思いついたの?」と聞くと、父は「それはあとで話そう。とりあえず、お前も面接に参加してくれ」と言ったのでした。
父はA男を即採用
今日面接を受けるのは8人の男女で、確かにその中にはA男の姿が。元々A男は自分に自信のある性格で、会議室に入ってくるなり、私の顔を見てニヤリ。
父が「志望動機を教えてください」と言うと、「給料がよかったからです。それに元家族だから、コネで入社したいと思って」と言い放ちました。さらにA男は、「俺は以前の会社で月給30万以上を稼いでいたので、それよりも上を希望します」と言い出す始末。
そして、面接が終わり疲労からぐったりしていると、父は「A男を採用する」と言ったのです。「お、お父さん、何で……!」と驚く私に、父は理由を説明。私も「それなら」とA男の入社を受け入れることにしました。
翌日、私はA男に「契約社員として採用。正社員登用の可能性もあり」との内容の採用通知書をメールで送付。A男からはすぐに、「元家族でよかった! よろしくな!」との返信が届いたのでした。
A男を入社させた本当の理由
後日、初出社してきたA男に、私は「今日から私があなたの指導係です」と宣言しました。
そう、父は私をA男の指導係につけ、「厳しく指導して、あいつの根性を叩き直したらどうだ?」と提案してくれたのです。
「はぁ!? 俺のほうが優秀なのに、なんでお前に従わなくちゃいけないんだよ!」と怒るA男でしたが、「嫌なら入社を取りやめてもいいのよ。ただ、借金を返済するためには働いたほうがいいと思うけど」と私はピシャリ。
結局、A男はしぶしぶ、私を教育係として受け入れたのでした。
その後一緒に仕事をしてみると、A男は思っていた以上に仕事ができず、社員たちからは「こんなに無能な人は初めて見た」「これでよく今まで働いてこれたな」との声まで。A男本人の耳にも入ったようで、最初は「こんな簡単な仕事を優秀な俺に任せるなんて」と大口を叩いていましたが、数カ月後にはすっかり大人しくなりました。
今後も指導係として、A男には厳しく仕事や社会人としての常識を教えていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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