けれど問題は義妹。姪を理由に、あれこれ物をせびってくるのです。
姪の治療費が足りない!? 義妹が懇願
ある日、夫がいないときに、義妹が血相を変えてやってきました。義妹は目を真っ赤に腫らし、震える手でハンカチを握りしめていました。
「お願い……! 娘が難病にかかったの。治療費にどうしても100万円必要なのよ! すぐに払わないと手術が受けられないって病院に言われて……どうか助けて!」
義妹はまるで今にも崩れ落ちそうなほど、切羽詰まった様子でした。
私は胸がぎゅっと締めつけられ、彼女の必死な姿に心を揺さぶられてしまい、つい「わかった、いいよ」と答えてしまいました。
義妹の裏の顔
数日後、私は買い物帰りに偶然義妹を見かけ、声をかけようと近づくと、義妹は誰かに電話をし始めました。話し終わってから声をかけようと、すぐ後ろを歩いていると、義妹のまさかの言葉が聞こえたのです。
「そうそう、義理の姉なんだけど、だますの簡単だったわ〜♪ 泣いたらすぐ100万円ポーン!って出してくれてさぁ~!」
心が凍りつくような気持ちになりました。姪が病気だと言ったのはうそ? だとしたら、あの涙は何だったの……? 私は義妹に声をかけることなく家に戻り、胸の奥がざわざわして眠れぬ夜を過ごしました。
義妹に真実を突き付けた結果!?
その後、結局私はひとりでは抱えきれず、夫にすべてを打ち明けました。夫は険しい表情でうなずき、どこかへ電話をかけたあと、義妹をうちに呼び出しました。
「姪っ子の体調はどう?」
夫の質問に義妹はうつむいて「まだ具合が悪くて入院中なんだ……」と答えます。
「お前、何も知らないんだな」
「えっ……何が?」
夫の低い声に、義妹は目を丸くしました。
「母さんが保育園に電話して確認してくれたんだ。姪っ子は元気に保育園に通ってるて言ってたぞ。病気はうそだろ?」
義妹の顔から血の気が引いていきました。
心を入れかえた義妹
しばらく黙り込んでいた義妹は、ぽろぽろと涙を流しました。
「ごめんなさい……私、ラクしたくてうそをついたの。本当は毎月の生活が苦しくて。ちょこちょこお金をもらうと怪しまれると思って、まとまったお金をもらったの」
夫は深いため息をつきました。
「自分の生活が苦しいからと言って、人をだましていい理由にはならない。その100万円は俺たちが2人で働いて貯めた大切なお金なんだぞ。裏切られた気持ちで残念だ。本当に生活が苦しいなら、まずは生活を見直せ。それでも困ったときは、正直に相談しろ」
夫の言葉に義妹はうなずき、先日借りたお金を返すこと、そして二度とだまさないことを約束しました。どうしてそんなすぐバレるようなうそをつくのか、私には理解できませんが、そこが義妹の浅はかなところだとも思いました。
その後、義妹はパートの日数を増やし、自分で生活費を稼げるように頑張っている様子。手元に残っていたお金はまとめて返金してもらい、使ってしまった分は毎月数万円ずつ返済してくれています。
義妹の裏切りにはすごく傷つきましたが、うそがすぐに明るみになったことで、義妹の生活がより健全なものになったのはよかったと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。