AIに任せればいい!
ある日、新しく着任したばかりの課長から、僕の仕事に対して「お前はサボってばかりで成果を出していない」と言われました。課長は社長の息子で、親会社にいたところを子会社であるうちに来たばかりでした。
僕が「プログラムの整備は、成果が見えづらい」と説明しても、耳を貸してくれない様子です。課長は「言い訳をするな。プログラムの整備はAIにやらせればいいだろう」と言い出す始末でした。
僕は、課長の言葉にショックを受けました。会社のシステムに関わることは、ほぼ一人でおこなってきました。それなのに、その努力は一切認められずに「必要ない」と言われてしまうなんて。心が折れてしまった僕は自分が会社にいる必要性を感じられず……このとき、会社を辞めることを決意したのです。
僕の想い人
後日、会社に退職届を提出しました。
その後、引き継ぎを終え最終出勤日となった日。荷物をまとめていた僕の前に、会社の受付を担当しているAさんが現れました。彼女は、数年前に僕が仕事で追い詰められているときにやさしく声をかけてくれた女性です。その後も何かと僕のことを心配してくれて、話しているうちに僕は彼女に心を惹かれていきました。
そんなAさんは、「退職するって…課長が一方的に何か言ったって噂で聞きました」と不満げな様子です。彼女は、「あなたが1人で頑張っていることはちゃんと知っています」と言ってくれました。
僕は、誰も見てくれていないと思っていた努力をAさんが見ていてくれたことがうれしくて胸が熱くなる思いがしました。「辞めるから、もう会えないね」僕がそう言うと、Aさんは
「このまま会えないなんて、絶対にイヤ!」
と言って僕の腕に抱きついてきました。Aさんの思いもよらぬ行動に、僕は動揺を隠せませんでした。
僕たちの片思い
その日の帰り、僕とAさんは一緒に夕食を食べることに。
お酒が進むと、彼女は酔ってしまったのか僕の腕に寄りかかり「私の彼氏になって」と赤い顔で囁きました。僕は冗談だと思って取り合いませんでしたが彼女は真剣な眼差しで続けます。
「私は、初めて会ったときからあなたのことが好きだったの。真剣に仕事をしている姿を、ずっとカッコいいと思っていました」
僕は、彼女の発言を聞いて驚いてしまいましたが、数年間の片思いは僕だけじゃなかったことに安心し、こみ上げてきた思いを彼女に伝えました。
「僕も、Aさんのやさしいところが好きです。いつも、僕の心の支えになっていました」
僕の発言に目を潤ませるAさん。こうして僕たちは恋人同士になったのでした。
退職後の会社は大混乱!?
それからしばらく経ったころ、Aさんから僕が退職した会社の話を聞きました。僕が退職後、引継ぎはおこなったものの、会社のシステムをしっかり把握できている人がそもそもおらず、大騒ぎになってしまったそうです。課長が言っていた、AIに任せてみるというのも、結局ミスが多数出て、社内は大変なことになってしまったのだとか。
結果的に、課長は僕を責めたことを非難され、会社に居づらくなってしまい退職。父である社長からも叱られて、一から就職活動をしているみたいです。
僕自身はというと、すぐに新しい会社に転職しました。以前とは違い、今では過重労働に追われることもなく、心身ともに余裕のある生活を送っています。そしてもう1つ変わったことは、Aさんと同棲を始めたこと。
「Aさんがいてくれて、幸せだよ」
僕がそう伝えると、彼女は笑顔で「これからもずっとあなたのそばにいるからね!」と答えてくれました。彼女と2人で未来を歩んでいける幸せを噛みしめています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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