レシピ検索する私をバカにする夫…
私は夫と6歳の息子との3人暮らし。最近の息子は食べ物への興味が増したようで、しばしば夕食のメニューをリクエストしてきます。ある日の夕方、息子に「ママ、オムライス作って!」と言われました。私は数週間前にファミリーレストランで食べた、ふわふわのオムライスがおいしかったことを思い出し、「どうすれば卵があんなにふわふわになるんだろう」と気になってスマホで検索してみることに。
するとその様子を見ていた夫が「それくらい調べなくても作れよ」と言ったのです。「えっ?」と思わず私は返事をしました。夫のほうを見ると、なんだかあきれたような顔でこちらを見ています。「だから、オムライスなんて簡単じゃん。いちいち調べないとできないの?」と言う夫。「うまく作りたくて調べただけだよ。簡単だって言うなら、あなたが作ってよ」と言い返すと、夫は当然のように「料理はお前の役目だろ」と言ったのです。
さらに言い返そうとしたところで、息子が「ママ、大丈夫?」と心配そうに見てきました。息子にはけんかしているところを見せたくないと思い、怒りの気持ちをぐっとこらえて「大丈夫だよ」と返事をした私。そのままイライラしつつも、余計なことを言われたくない一心で、レシピを見ずいつも通りのオムライスを作りました。
食卓にオムライスを並べると、それを見た夫は「ほら、やればできるんじゃん」となぜか上から目線。「調べる時間ももったいないし、そのくらいサクッと作ってくれればいいんだよ」とまで言われてしまい、料理の手際がいいとは言えない私は、何も言い返せません。息子が「ママおいしいよ! ありがとう!」と言ってくれたことだけが救いでしたが、本当はもっとおいしいものを作ってあげたかったのにな、と悔しい思いでいっぱいでした。
数日後、近所に住んでいる義母が、おかずのおすそ分けをしにわが家を訪問。義母は料理が得意で、ほぼ毎週末、おいしいおかずをたくさん作ってはわが家に届けてくれるのです。おかずを受け取り、みんなでお茶を飲んでいたとき、夫が「そういえば……」と話し始めました。「こいつさ、オムライスも調べないと作れないんだぜ」と義母に笑いながら言ったのです。義母が「どういうこと?」と聞き返すと、「息子がオムライス食べたいって言ったら、わざわざスマホで調べてるの。オムライスくらい、俺だって調べなくても作れるよ。ご飯にケチャップまぜて卵で巻くだけだぜ?」と言う夫。そばにいた私は、料理じょうずな義母に呆れられることを恐れ、「義母にまで嫌味を言われたらどうしよう」と、うつむいていました。
しかし義母は、「作り方を調べて何が悪いのよ。私だって今でもレシピ本をたくさん読んでるわ。昔はネットなんてなかったけど、今は調べればいろいろなレシピが見られるんでしょ? それを活用して何が悪いの!」と言ってくれたのです。それでも夫は、「でもオムライスくらい……」と言いかけました。しかし義母は「大体ね、オムライスって単純だけど難しいのよ。ずっと実家暮らしで作ったこともないくせに。そんなことで文句言うくらいならあなたが作りなさいよ」と続けます。「調べるってことは、もっとおいしく作りたいって、ちゃんと考えてるってことよ。すごく立派じゃない」と義母にまくしたてられた夫は、バツが悪そうに黙りこんだあと、「ごめん……」とひと言つぶやきました。料理じょうずな義母がレシピ本を見ながら作っていることは少し意外で驚きましたが、思いがけないフォローで私も救われた気持ちに。
その後、夫は私の作った料理や、作り方について何かを言ってくることはなくなりました。義母も、おかずを持ってきたときに「この煮物、よくテレビに出てるあの人のレシピを見て作ってみたの♪」と、レシピを共有してくれるようになり、これまで以上にいい関係が続いています。
料理などの家事に限らず、どんなことも「これくらいできて当たり前」と決めつけず、努力や工夫する姿勢を認め合っていくことが大切だと感じた今回の出来事。私も、自分のあたりまえを誰かに押しつけるのではなく、その背景にある努力や過程を想像できるようになりたいと思いました。
著者:菅田 りさ/30代・パート。6歳の男の子を育てる主婦。田舎暮らしで仕事や育児に奮闘中。最近の楽しみは子どもとのパン屋めぐり。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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