赤ちゃんとの生活は楽しいながらも大変なもの。初めての赤ちゃんだったらなおさらだと思います。新生児のころはとにかく夢中で、周りを見る余裕なんかありませんでした。だんだんと子育てに慣れ、余裕が出てきた生後10カ月のある日、どん底は突然やってきました……。
里帰り出産の居心地の良さ
筆者は里帰り出産だったので、出産予定日1カ月前から出産後1カ月の間、実家で暮らしていました。赤ちゃんの1カ月健診が終わったあと、「とうとう戻らなきゃならない……」と暗い気持ちになったことを覚えています。
まだフニャフニャしている生後1カ月の赤ちゃんを、日中ひとりでお世話しなくてはならないと思うと不安以上に恐怖で、まるでわが子がお化けか何かのように感じることがありました。
それでも、新生児のお世話に四苦八苦し、へとへとになっているうちはまだよかったのです。夫が協力的だったこともあり、子育ては思っていたよりも順調でした。
急に襲ってきた“孤独感”
わが子が生後10カ月になったある日、お昼寝をたっぷりして元気がありあまっているようなので、夕食づくりを中断して近くの公園に連れていくことに。
つかまり立ちをするようになったわが子の写真を撮ったり、地面に絵を描いたりして遊びました。ふと気がつくと、秋の夕暮れで公園には誰もいません。
家々には明りがつき、中学生が自転車で自宅に帰っていくのを見て、突然寂しさが押し寄せてきて涙が出ました。孤独感に耐えられなくなり、わが子をかかえて逃げるようにアパートに戻りました。
夕方になると寂しくてたまらない
以来、夕方になると寂しくてたまらなくなってしまうことが数カ月続きました。わが子はかわいい……でも、まるでひとりぼっちになってしまったような気分になるのです。
日中は支援センターの催しに参加したり、買い物をしたり、なるべく忙しく過ごしていたので寂しさを感じることがなかったのですが、夕方になるととたんに気持ちが沈みます。
どうすることもできないので、なるべく子ども番組やにぎやかなテレビ番組をつけて、やり過ごしていました。
だんだんと子育てに慣れて余裕が出てきたころに突然やってきた、気持ちの“どん底”でした。もしかしたら、第2子妊娠のごく初期だったことも関係していたかもしれません。その後、第2子が生まれて忙しくなったことで、だんだんとこの寂しさは薄れていきました。
今では家族が増え、小学生になったわが子はうるさいくらいおしゃべりで、寂しさとは無縁の忙しく楽しい毎日を送っています。