記事サムネイル画像

「2400万円が消えた!?」定期預金がまさかの残高350円に…親子の確執が生んだ衝撃の結末とは

定年を迎え、これからは夫と穏やかに暮らしていこうと考えていた私。そんなある日、社会人になった孫への就職祝いに旅行へ行くことになりました。その費用は、私たちが長年コツコツと貯めてきた定期預金から出すことにしたのですが……。

 

娘のことが唯一の心配ごと

私にはひとり娘のA子がいます。昔から少し自由奔放なところがあり、高校卒業後は親元を離れて暮らしていたのですが、しばらくの間、連絡が途絶えてしまいました。

 

そんなある日、突然A子が帰省。しかも妊娠していて「結婚する」と言いだしたのです。相手の男性は真面目そうで仕事もしっかりしていたため、私たちは2人を応援することにしました。

 

しかし結婚生活は長く続かず、A子は金銭感覚の違いなどから夫とすれ違いが増え、ついに離婚。その後は娘を残したまま家を出て行ってしまったのです。

 

孫との暮らしが始まる

こうして私たちは、孫娘を育てることになりました。初孫ということもあり、夫婦そろって目に入れても痛くないほどかわいがり、精いっぱい育ててきました。

 

そのかいあって、孫は真面目で素直に成長し、専門学校を卒業して社会人に。その就職をお祝いするため、夫と2人で小旅行を計画したのです。

 

旅行資金は、老後に備えて40年間積み立ててきた定期預金の一部を使うことにしました。毎月5万円、40年間欠かさず積み立ててきたので、単純計算で2400万円ほどあるはずです。

 

「孫へのお祝いに使うなら、このお金がふさわしい」――そう思いながら銀行へ向かいました。

 

 

まさかの残高「350円」

この日、旅行費用を下ろそうと窓口に出向いた私。ある程度時間がかかると思っていたのですが、数分後、銀行員が戻ってきて告げた言葉に耳を疑いました。

 

「残高は350円です」

 

「えっ!? 毎月5万円を40年積み立ててきたんですが……」と、思わず声が出ました。再確認してもらうと、たしかに残高は350円。後日、取引履歴と過去の手続き記録を調べてもらうことに。

 

この口座は、当初から積立定期(満期分は普通預金へ自動振替)という設定。家計用とは別銀行で、通帳は長らく未記帳のまま。通帳・キャッシュカード・銀行印は「もしものとき」に備えて同じ引き出しに保管していました。暗証番号も覚えやすい数字でした。

 

まさかの人物が引き出していた

誰がそんなことをしたのか。頭に浮かんだのは、やはりA子でした。しかし証拠もないままでは決めつけられません。銀行員に協力してもらい、さらに詳しく調べたところ――。

 

銀行の調査結果では、約20年前に積立定期の一部が窓口で中途解約されており、当時の受付記録の控えに代理人欄としてA子と同姓同名の記載が読み取れたとのこと。当時は現在より本人確認手続きが簡素で、通帳(または定期の証書)と届出印、委任状、代理人の本人確認で受理される運用があったそうです。

 

さらに、その後も満期や毎月の自動振替で普通預金に入った資金が、ATMで継続的に引き出されていた履歴が判明。ATM取引はキャッシュカードと暗証番号が使われており、カードが持ち出されていた可能性も考えられる、との説明でした。

 

思い返せば、A子がまだ家にいたころ、保管場所を教えてしまっていたことがあります。「何かあったときのため」という親心でしたが、通帳・印鑑・カードの同一保管や推測しやすい暗証番号は不用心でした。長期間の未記帳も重なり、20年前の中途解約でまとまった原資が減り、その後の毎月分も都度引き出されていった結果、残高350円という事態に気付けなかったのだと思います。

 

A子の言い分、孫の決意

その後、A子が突然わが家に現れ、「最近生活が苦しくて……少しだけお金を貸してほしい」と頼んできました。孫のことを気にかける様子もなく、ただお金の話ばかりするA子に、私は言葉を失いました。

 

そこで私は静かにこう伝えました。

 

「長年積み立てていた定期預金、あれを引き出していたのはあなたでしょう?」

 

A子は一瞬、言葉に詰まりましたが、やがて「親のお金を使って何が悪いの?」と開き直るような態度を見せたのです。そんなA子に、立ち上がったのは孫でした。

 

「お祖母ちゃんを傷つけるようなことをしておいて謝らないなんて許せない。私はお祖母ちゃんとお祖父ちゃんを本当の両親だと思ってる。子育てを任せきりで、お金の話しか持ち出さない人を母親だとは思えない」

 

その言葉に、私も胸が締めつけられる思いでした。

 

実の娘から痛烈な言葉を浴びたA子。それがきいたのか、最終的にA子はお金を返すことに同意。一度では返せませんが、少しずつでも返済していく約束をしました。

 

謝罪に来ることもありましたが、私は「ここで甘やかしてはいけない」と思い、あえて距離を置いています。いつかA子自身が、自分のしたことの重みを理解し、家族の大切さに気付いてくれる日が来ることを願っています。

 

--------------

お金は大切なものですが、家族の信頼を損なってしまっては本末転倒ですよね。今回の出来事を通して、長い時間をかけて築いた信頼関係こそが、何よりも大切にすべき財産なのだと痛感したのではないでしょうか。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

    読者からの体験談をお届けします。

    同じ著者の連載

    新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    エンタメの新着記事

  • PICKUP