失恋と仕事でのミス
ある日の朝、僕は会社で深いため息をついていました。その理由は前日、彼女に別れを告げられたからです。
前日の夜、僕のもとに突然「昨日はありがとう♡ 楽しかったよ!」というメッセージが届きました。彼女がすぐに送信を取り消したため、僕が電話でどういうことか確認すると、彼女は別の男性に送るはずが、間違えて僕に送信してしまったとのこと。「浮気ってこと?」問い詰めると、開き直った様子の彼女から
「そう。あなたと違ってお金持ちな人を見つけたの。だから別れて」
と告げられたのです。
僕は振られたショックで眠れないまま出社したため、その日の仕事は失敗続き。そんな僕に声をかけてきたのは上司のAさんでした。Aさんは、仕事熱心で美人な上司として社内でも有名な人です。Aさんからは、「今日のあなた、おかしいわよ。どうしたの?」と言われました。
笑いながら「彼女に浮気されて…」と口にした僕を見て、Aさんは「笑ってる場合じゃないでしょ」と僕のことを心配してくれました。
元カノと遭遇!?
ミスをしてしまったこともあって残業をしていると、Aさんが隣のデスクにやってきました。「私も手伝うよ」と作業を手伝ってくれたAさんに、僕は「申し訳ない」という思いばかりでした。
こうしてしばらく経った後、僕らは仕事を終えました。「お疲れ様」と声をかけてくれたAさんに、僕は「もしよかったら飲みに行きませんか」と言うと……Aさんは驚いた顔で「行く」と即答。Aさんは、
「実は、落ち込んでいるあなたをどうやって食事に誘うか悩んでいたの」
と言ってくれました。僕はそんなAさんのやさしさにうれしくなりました。
居酒屋で向かい合ったAさんは、「ほら、元気出して」と笑ってくれました。厳しいだけの人ではないことは知っていましたが、Aさんの心遣いに、救われた気持ちになりました。
そんなとき、隣の個室から聞き覚えのある声が。
「はい、あ~ん♡」
「あ~ん」
こっそり隣の席を見ると、なんと声の主は元カノと……男性。きっとこの男性は、話に聞いたお金持ちの彼氏なのでしょう。僕は2人の様子を目にし、思わず何も言えなくなってしまいました。
まさかのお付き合い宣言
そんな僕を見て、Aさんは何を思ったのか
「私と…お付き合いしてくれる!?」
と突然の衝撃発言。
Aさんの意図がわからずに困惑していたところ、隣の席から元カノの視線を感じました。その視線を見て、「もしかして、元カノへの仕返しをするチャンスをくれているのか!?」と思いました。
僕たちのことをじっと見つめる元カノを見てか、元カノの彼氏も僕たちをのぞき込んできました。すると彼氏はAさんを見て、「うわっ、すごい美人…!」とうれしそうな声を上げて……。
そんな中、僕とAさんは、彼らに「こんにちは」とだけ挨拶をして、お店を後にしました。
Aさんの本音とは
数日後、Aさんは「この前のことなんだけど…」と声をかけてきました。僕が「あのときはとっさに演技してくれたんですよね! 僕の都合に合わせてくれてありがとうございます!」と伝えると、なんだかAさんは悲しそうな表情を浮かべて……。
「私は、ずっとあなたのことが好きだったの。一生懸命仕事をするあなたの姿をずっと見て、素敵だなって思っていたの」
なんと、Aさんの「お付き合いしてくれる?」という言葉は、本気だったのです。まさかとは思いましたが、僕は「演技してくれてありがとう」なんて彼女の気持ちをむげにする発言をしてしまった…と後悔。そして僕では優秀で美人なAさんに釣り合わないという気持ちがありました。
でも……
「Aさんの気持ちに気が付かなくてごめんなさい。僕がつらいとき、励ましてくれたAさんのやさしさに、僕も惹かれています!」
と自分の思いを素直に伝えました。こうして僕たちは付き合うことになったのです。
噂で聞いた話ですが、元カノの彼氏は居酒屋で見たAさんの姿が忘れられず、ずっとAさんの話をしていたようです。それに気分を害した元カノと言い争いになり破局。元カノは新たなお金持ちの恋人を探して奮闘していると聞きました。
一方の僕たちは、一緒にいろいろなところへ出かけて仲を深めています。会社では厳しい上司ですが、プライベートでは少し甘えんぼうなかわいい彼女です!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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