実は超危険!「チャーハン症候群」の正体とは?
「チャーハン症候群」とは、セレウス菌という細菌が原因で起こる食中毒のこと。
室温に放置したチャーハンを食べて体調を崩す人が多かったことから、主にSNSでこのように呼ばれ始めました。
でも実は、チャーハンだけでなく、ピラフやパスタ、焼きそばなど、お米や麺を使った炭水化物の料理全般で起こります。
このセレウス菌の怖いところは「後で冷蔵庫に入れよう」とテーブルの上に出しているだけで、どんどん増えてしまうこと!
しかも、菌が増えても味やにおいには全く変化がないので「ちょっと変かも?」と気づくことができません。
調理から時間の経ったチャーハンやパスタを食べて嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れたときは、すぐに内科(できれば消化器内科)を受診しましょう。
加熱しても死なない!?セレウス菌の恐るべき生命力
「しっかり温めなおせば大丈夫でしょ?」と思いがちですが実はこのセレウス菌、一度増えてしまうとどんなに加熱しても死なない“最強の菌”なんです。
さらに、この菌が作り出す毒素は126℃で90分加熱しても分解されません。そのため「菌を増やさない」ことが一番重要です。
今日からできる!「チャーハン症候群」対策
忙しい毎日でも、ちょっとした工夫で食中毒のリスクは減らせます。どれも今日からすぐにできる簡単なことばかり。さっそく見ていきましょう!
早く冷まして菌をブロック!
作った料理はできるだけ早く冷やすのが鉄則です。
というのも、セレウス菌は暖かいところが大好き。28~35℃の温度帯は「パーティーだ!」と言わんばかりに爆発的に増えます。
すぐに冷やさないとこの危険な温度帯を長時間さまよい、気づかないうちに菌だらけになってしまうんです。
大きな鍋のまま冷ますのではなく、保存容器で小分けにしたり、保冷剤を使って冷ましたりして、すぐに冷蔵庫に入れましょう。
お弁当は、保冷剤や保冷バッグを使って、できるだけ冷たい状態をキープしてくださいね。
作り置きは冷蔵庫の奥に入れよう
セレウス菌を寄せ付けないためには、冷蔵庫で菌が苦手なキンキンの低温(8℃以下)にするか、熱い状態(55℃以上)を保って菌が増えないようにすることがポイントです。
冷蔵庫のドア付近は温度が変わりやすいので、作り置きは奥の方へ。冷凍保存したものは、解凍すると菌が再び目を覚ましてしまうので、すぐに食べきりましょう。
秋こそ油断禁物!見落としがちな食中毒【その他】
「チャーハン症候群」以外にも、これからの季節に注意すべき食中毒がたくさんあります。
実は、食中毒の発生件数が最も多いのは10月!「夏が過ぎたから安心」と油断している時期だからこそ、注意が必要です。
鮭やサンマに潜む寄生虫
秋が旬のサンマや鮭、サバなどに潜むアニサキス(寄生虫)。
しっかり加熱すれば大丈夫ですが、身の中心部まで火が通っていないと生き残ってしまうことがあります。
中心部までしっかり加熱するか、-20℃以下で24時間以上冷凍することで死滅するので、調理する際は気をつけてみてくださいね。
自己判断は超危険!毒きのこに注意
9〜10月は毒きのこによる食中毒が多いんです。
とくに、自然の森や山で自分で採った野生のものは要注意。食用にそっくりな毒きのこも多いため、専門家でも判別が難しいといわれています。
山で採ったものを食べるときは、絶対に安全だと確認できたものだけにしてくださいね。
ちょっとのコツで食中毒を防ごう!
「チャーハン症候群」と聞くとちょっと怖いですが、一番大切なのは作った料理をできるだけ早く冷やして、菌を増やさないこと。
今日ご紹介したちょっとしたコツを覚えるだけで、食中毒の心配をグンと減らせますよ。