住民から愛される管理人さん
5歳の息子と4歳の娘のいるわが家は、息子を妊娠しているときにマンションを購入しました。全50世帯ほどの中規模なマンションで、家族連れが多く、未就学児から小学生くらいのきょうだいがいる家庭がほとんどです。
そんなマンションの管理人さんは、私の親世代よりも年上のようでしたが、姿勢がピンとしていて、毎日笑顔であいさつをしてくれ、ゴミ出しや清掃をテキパキとこなしてくれます。話し好きな一面もあり、聞けば、ある武道で道場長をしているのだとか! これは何かあったときに頼もしい……!
そして何より子どもたちへの接し方がやさしく、仕事中でも子どもが話しかけると必ず腰を下ろし目線を合わせて話をしてくれました。子どもが多いマンションにもかかわらず、ほとんどの子の名前を覚えていて、「今日は○○教室ですか?」と、習い事まで把握してくれているのです!
その丁寧な対応と記憶力はまさに“神レベル”。わが家だけでなく、同じマンションに住む他の家庭もみんな、管理人さんのことが大好きでした。
最終出勤日…みんなで涙のお別れ
そんなすてきな管理人さんも、私たちがマンションに住み始めて5年ほど経ったころ、定年退職されることに。
最終出勤日、家族そろってお礼の気持ちを込めたお菓子を持ってあいさつに伺いました。他の家庭も続々とお別れのあいさつに訪れ、中には泣いてしまう子どもたちの姿も……。
最後はみんなで笑顔でお見送り。立ち会っていた管理会社の方も「こんなに大勢の皆さんに見送られる管理人さんは、なかなかいませんよ」と驚いていました。
退職はとても残念でしたが、子どもが小さいうちに過ごすマンションの管理人さんが素晴らしい方で、本当によかったなと感じます。大好きな管理人さんがいなくなって数日は寂しそうにしていた息子と娘でしたが、今は新しく来てくれた管理人さんとすっかり仲良しで、毎日元気にあいさつをしています。
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心温まるエピソードに、人とのつながりの意義を改めて感じさせられますね。
毎日のあいさつや何気ない会話など、親以外の大人と関わる経験は、子どもにとって社会を学ぶ貴重な機会になります。
また、家庭の外にも子どもたちをやさしく見守ってくれる存在がいることは、子育て中の親にとって心強い支えとなりますよね。
こうしたコミュニケーションの積み重ねが、子どもの社会性を育むだけでなく、「孤育て」を防ぐことにもつながっていくのかもしれません。
著者:林 ゆり/30代女性。2020年生まれの男の子と2021年生まれの女の子の2児のママ。趣味は映画鑑賞。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
※AI生成画像を使用しています