駐車スペースを横取りされた!?
わが家は週末になると、食材をまとめて購入するため、車で10分ほどの大型スーパーに出かけます。価格も手頃で品揃えも豊富な人気店なので、駐車場はいつも満車状態です。
その日も空きが見つからず、ぐるぐると駐車場内を回っていました。すると、ちょうど目の前で買い物を終えた家族連れが車に乗り込むのが見えたため、夫はハザードランプを点けて、その車が出るのを待っていました。
ところが——。
その車がスペースから出た直後、前方から勢いよく走ってきた大型のファミリーカーが、私たちが待っていたスペースに強引に入ってきてしまったのです。
夫はすぐに車を降り、運転席から出てきた20代くらいの女性に「すみません、私たちがここで待っていたのを見ていましたよね?」と声をかけました。
強気な返答にモヤモヤが残り…
するとその女性は、腕を組んで少し笑いながら「え、早い者勝ちじゃないですか? どこにもそんなルール書いてないでしょ」と言い放ったのです。
夫が「でも、順番を守るのがマナーだと思います。先に待っていたのは私たちです」とやんわり訴えると、「てめぇの常識押し付けんなよ」と、さらに強い口調で返されてしまいました。
私たちは何も言い返せず、あぜんとしたまま、その女性が買い物かごを手にスーパーの中へ入っていくのを見送るしかありませんでした。
結局、再び駐車場を回り、別のスペースを見つけたのはそれから20分後のこと。後部座席の子どもたちは「まだー?」「おなかすいたー」とぐずり始め、スーパーに入ってからも機嫌が悪く、私たちは急いで買い物を済ませることに。
帰りの車内では夫と「あのとき、どうするのが正解だったんだろうね」と話し合いました。たしかにルールの記載などはなかったので、「早い者勝ち」という考え方が間違いとは言えないかもしれませんが、順番を守るのがマナーだと思っていた私たちは、どうしても納得がいかず……。
モヤモヤしつつ「こういう人もいるんだね」と、ため息まじりに言葉を交わしながら帰宅しました。
この出来事を通して、駐車場に限らず、公共の場では「ルール」だけでなく「マナー」や「思いやり」がとても大切なのだと改めて実感しました。自分にとっての“当たり前”が、誰かにとってはそうでないこともあります。だからこそ、相手の立場を考える気持ちを忘れずにいたいと感じた一件でした。
◇ ◇ ◇
多くの商業施設の駐車場には、順番待ちの明確なルールが設けられていないことがほとんどです。しかし、先に待っていた車を無視して横入りするような行為は、マナー違反であるだけでなく、トラブルや接触事故の原因にもなりかねません。
混雑しているときこそ、周囲への配慮を忘れず、安全に行動したいものですね。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)