いつの間にか家政婦扱いに…?
義実家は新幹線で1時間強の距離にあり、私が出産する前から半年に一度の頻度で、日帰りで帰省していました。そして長女が誕生し、生後6カ月になったころ、初めて泊まりで帰省をすることに。
夕食のあと義母から「お風呂どうぞ」と言われたので、夫と私、娘の3人で初めて義実家の浴室に向かいました。夫婦2人でまずは娘を洗おうと扉を開けると、なんと浴槽には明らかに汚れの浮いた、濁ったお湯が湯気を立てて溜まっていたのです……!
衝撃的な光景を目の当たりにし、絶句する私たち。しかし、沸かしてくれた浴槽のお湯を勝手に抜くことは気が引けます。ひとまず、湯舟にはつからせずに何とか娘を洗い、自分たちもシャワーで済ませました。
入浴後、義母にそれとなく「お風呂の掃除って……」と聞いてみたところ、なんと義実家では半年以上、浴槽を洗っていなかったことが判明……! 「水道代の節約になるし、最近私たちはいつもシャワーだけで湯舟につからないのよね」「使ってないから大丈夫かと思ってそのままお湯を沸かしたのよ。気になるなら今度から自分たちで掃除してくれる?」と言います。その発言に、夫も驚愕。夫が義実家で暮らしていたころは、夫が兄弟たちとお風呂掃除の当番を順番にしていたようですが、それぞれ独立したことで、衛生に対する義母の意識は下がったようです。そこで夫は義母に、「お世話になる間は自分たちで浴槽を掃除する」と約束。半年後に再び帰省した際も、義実家に着いて真っ先に浴室を掃除しました。
すると、義母は味を占めたのか、だんだんと浴槽だけでなく家中の掃除を要求するようになりました。トイレ掃除、掃除機かけ、ゴミ捨て、庭の草むしり……。一宿一飯の恩と思い受け入れていましたが、エスカレートしていく要求に疲れ、半年に一度の1泊だけの帰省も、足が徐々に遠のきがちに。
しかし、長女が2歳を過ぎたころ、新たに誕生した生後6カ月の次女を連れて再び泊まりで帰省することになりました。夕方、義実家に到着するやいなや浴槽の掃除に取り掛かろうとした私でしたが、次女の授乳やおむつ替えで思うように動くことができません。夫も、義母に頼まれた草むしりをしていて、頼める状況ではなく……。そうこうしているうちに、義母は長女に「一緒にお風呂入ろうか」と言って、浴室へ向かってしまいました。
すると、浴室から長女の「おばあちゃんちのお風呂やだー! 汚いから一緒に入りたくないー!!」という声が響いてきたのです。「ごめんね。まだ掃除してなかったね」と言う義母に、長女は「ちゃんと毎日掃除してね! おばあちゃんがきれいにしてくれないと、一緒に入らないから!」と一刀両断。義母は「でもね、パパとママがお掃除するっていう約束だったのよ?」と言い返すと、長女は「でもパパはお外のお掃除してるよ? ママも忙しいし、みんなで力を合わせないとダメなんだよ!」と力強く反論。孫からの言葉の効果は絶大で、義母はそれ以上何も言い返せない様子でした。
それ以来義母は、帰省前には浴槽を掃除してくれ、長女も喜んで義母とお風呂に入るように。義父母も高齢なので、私たちも出来る限りの手伝いをしようという姿勢ではありますが、際限のない要求はされなくなって一安心です。
義実家への帰省は何かと気を使うもの。お世話になる以上、できる限りのことはしたいものの、習慣の違いに戸惑い、受け入れられないこともあります。しかし、無理に我慢し続けると、ストレスが溜まって関係の悪化や疎遠になる原因になるかもしれないと私は思います。私たちがなかなか言い出せなかったひと言を、今回は娘がビシッと言ってくれたので助かりました。自分でもはっきり言えるようにならなくてはいけませんが、どうしても言えないときは、夫や子どもから伝えてもらうと丸く収まるかもしれないと気づくきっかけになった出来事です。
著者:田村ゆい/30代・ライター。おしゃまな6歳とマイペースな3歳の姉妹を育てる母。夫が単身赴任中のため、毎日ワンオペで奮闘中。賑やかな娘たちと慌ただしい毎日を過ごしている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!