仕事と恋人を失った僕
長年勤めていた会社が倒産したことで、僕の人生は大きく変わりました。無職になっただけでなく、同棲し婚約までしていた彼女に、「無職は出て行って」と言われてフラれ、さらには共同貯金や家電製品をすべて持っていかれてしまったのです。
家を追い出された僕の手元に残ったのは、少しの貯金と失業手当、そして少ない退職金のみ。そのため、それらを何とかやりくりし、新しい場所へ引っ越した後、再就職先を探すことにしました。
しかし、仕事を見つけるのは簡単ではなく、就職先が決まらないまま、時間だけが過ぎていきました。
公園で偶然の出会いが
就職活動を続けていたある日のこと。公園のベンチに座っていると、女性がランニングをしていました。そして、彼女は財布を落としてしまったのです。しかし、彼女は落としたことに気付いていないようだったため、僕は財布を拾い、彼女に声をかけました。
無事に財布を渡し、立ち去ろうとした僕。そのとき「グー」とお腹が鳴ってしまいました。すると彼女は「ラーメン食べますか?」と言い、僕を連れて開店準備中のラーメン店へ。なんと、そこは彼女の店で、2カ月後にオープンするのだとか。
彼女はA子さんという名前で、ラーメン店をやるために貯金を貯めて脱サラしたとのこと。ただ、食べてみると味は微妙。嘘をつくのは彼女のためにならないと思い、僕は正直な感想を言いました。
するとA子さんは、「どうしたら良くなりますかね?」と聞いてきたため、僕は「スープの味付けを変え、麺の太さ・硬さをこだわったらどうですか」とアドバイス。実は、僕の父親はラーメン店を経営していたので、ラーメンの事情については詳しかったのです。
さっそく彼女はラーメンの改良を開始。さらに、従業員を探しているとのことで、僕はこの店で雇ってもらえることになったのでした。
元婚約者が来店!?
あっという間に2カ月が経過し、ようやく僕たちは店をオープン! 次第に口コミが広がり、常連さんもでき、TVにも取材されるようになり……。気付けば人気店になっていました。
そんなある日、男女のカップルが来店。なんとその女性は、僕の元婚約者でした。僕の姿を見た途端、「ここでバイトしてるの?」と嘲笑う元婚約者。一緒にいるのは彼氏のようで、彼は「こいつが、会社が倒産して別れた男か。確かにさえないな」と、僕のことをバカにしてきました。
僕はイラッとしながらも、「ご注文は?」と2人に質問。すると、店の奥からA子さんが出てきて、「誰がダサいって? この店が人気になったのは彼のおかげなの!」と、僕の代わりに怒ってくれたのです。さらに、「彼はラーメン作りだけでなく、経営に関してもすごいのよ」とひと言。
2人は何も言い出せないまま、店を去って行きました。
元婚約者から復縁を迫られるも…
後日、店を閉め外に出ると、なんと元婚約者が。「どうしてここにいるの?」と聞くと、彼氏と喧嘩別れし、家から追い出されてしまったとのこと。「今夜、家に泊めてくれない? それに、私はやっぱりあなたのことが好き。だから復縁しよう」と言ってきたのです。
きっと彼女は、僕がラーメン店のスタッフとして成功していることを知って気が変わったのでしょう。ただ、僕には新しい彼女がいます。そう、それはA子さんで、店を一緒に切り盛りするうちに、僕たちはお互いに異性としても惹かれていったのでした。
ちょうどA子さんも店から出てきたため、僕は元婚約者に「復縁はしないよ。今、僕には彼女がいるんだ」とA子さんを紹介。元婚約者は「は? 復縁なんて冗談で言っただけ」と顔を真っ赤にしながら、去って行きました。
会社が倒産し、一時はどうなることかと思いましたが、やりがいのある仕事と大好きな彼女を手に入れた僕。これからもA子さんと一緒に、幸せな生活を送っていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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