迷惑客を注意したら…
僕には、同じ職場で働く婚約者がいます。ある休日、彼女と一緒にレストランへ行きました。このレストランは落ち着いた雰囲気と料理が評判の店で、僕たちはゆっくりとした時間とおいしい食事を楽しんでいたのですが……。
近くの席から男女の大きな声が聞こえてきました。彼らの笑い声や大声での会話は店内に響き渡っていて、周囲の迷惑になっていたのは明らか。落ち着いた雰囲気のレストランだったので、かなり悪目立ちしていたと思います。
そんな姿に、他の席のお客さんから苦情が入ったのでしょう、お店のスタッフが2人に声をかけに行っていました。しかし、彼らの態度は変わることはなく、むしろ逆ギレ。「スタッフの分際でお客様に指図するな!」とスタッフの方に罵声を浴びせている姿を目撃してしまいました。
店内の空気はしだいに重くなり、周囲の客も眉をひそめていました。僕も「どうしたらいいんだろう……」と見守ることしかできないことにもどかしさを感じていると、彼女がスッと立ち上がり、なんとあの男女の元へ。そして「周囲のみなさんも、スタッフさんも困っていますよ」と注意したのです。
もちろん、あの男女は「誰だよあんた」「お前に言われる筋合いない」と彼女にも言い返していましたが、そのうち「シラケたし帰る」と帰り支度を始めて……。
去り際、彼女に「地味女がくるレストランじゃねーだろw」「貧乏人がくるとレストランの格が下がるよw」とあえて聞こえるくらいの声量で言っていたときは、僕もカチンときてしまい思わず言い返しそうに。ただ、彼女から制されてしまいました。
せっかく楽しい気持ちだったのに、モヤモヤしたものが残る食事デートとなってしまいました。
まさかの場所で再会?
数週間後、仕事中に彼女から「新しい取引先の方が来るから対応をお願いしたい」と言われました。初めての商談相手で、先方から何度か売り込みがあって実現した打ち合わせでした。僕は資料を確認し、気を引き締めて応接室に向かいました。
すると、応接室にいた2人を見て思わず息をのみました。あのレストランで騒いでいた男女だったのです。彼らも一瞬固まっていましたが、すぐに取り繕ったように名刺を差し出してきました。こちらも仕事ですから、感情を抑え丁寧に話を進めました。
しかし商談は思うように進みませんでした。質問しても「上に確認します」の繰り返しで、必要な資料も揃っていない状態。条件面も曖昧で、話を進めることはできなくて……。結局その日は「持ち帰って再度検討」という形で終わることになったのです。
「実は…」男女が勤める会社から思わぬ申し出
数日後、先方の会社から連絡が入りました。担当者があの2人から変わるとのこと。理由を聞かされて驚きました。「先日の商談、非常にやりにくかったようで……本人たちが『あの会社にはもう顔を出したくない』と言っていまして。申し訳ございません」と言うのです。僕や彼女と顔を合わせるのが気まずかったのでしょう。
レストランでの一件を思い出すと、内心「自業自得だ」と思わずにはいられませんでした。彼らは自ら墓穴を掘ったわけですから。
結局、僕たちの会社には新しい担当者がつくことになりました。噂によると、あの男女は、社内でも評判を落としているらしく、重要な案件から外されていったと聞きます。彼女にそのことを話すと、彼女も「自業自得だね」「スカッとしたね」と笑っていました。
今回の一件を経て、彼女の正義感とまっすぐさは見習いたいなと思いましたし、僕はそんなところに惹かれたんだよな、と改めて実感することとなりました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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