「過去最高の渋皮煮」って?
栗の渋皮煮です。小さい頃に食べたきり、長いこと食べてないなぁと気付いたのですが、YouTube『UTAMI Table/女将のおうちご飯』というチャンネルで紹介されていたものに目が釘付けになりました。
とある地方都市の路地裏で小料理屋を切り盛りしていた女将が、「旬の食材」をテーマにした家庭料理のレシピ動画を投稿なさっているというチャンネルです。
この渋皮煮のレシピは「丁寧に作りたい人に向けた」と銘打ってあるだけに、すごく時間と手間はかかりそうですが、これは絶対食べてみたい!!!と思えるやつでした。
細々とした作業が、実は嫌いじゃないあたくしです。腕まくりしてトライしてみたいと思います。
UTAMI Table/女将のおうちご飯「栗の渋皮煮」のレシピ
材料(作りやすい分量)
・栗…500g
・ザラメ…300g(栗の分量の60%)
・ブランデー…50ml
・重曹(食用)…小さじ1
栗をひと袋買ってきたのですが、重さ430g程度でしたので、ザラメは260g程度、ブランデーは43ml程度で作ってみようと思います。
ザラメがなければ、白砂糖でも良いそうですが、ザラメの方が良い感じに仕上がるようです。
作り方①鬼皮を剥く
鬼皮をやわらかくして剥きやすくするために、栗を熱湯に浸けます。鬼皮というのは一番外側の皮、その下に渋皮があり、さらにその下に栗の本体があります。
お湯が沸騰したら火を止めて栗を5〜10個入れます。そのまま5分くらい浸けたら、ボウルに取り出して剥き始めます。剥くスピードに合わせて、入れる個数を塩梅しながら作業する感じですね。
ちなみに5分では私の場合3個程度剥くのがやっとでした(お湯の量が多すぎて笑える)。
剥き方は、お尻の境目から包丁を入れて頭の方に向かって剥きます。一度お尻の境目に包丁を入れ、後は力で剥き上げる、というイメージとのこと(①)。
あくまで渋皮まで剥かないよう、残すように気をつけて。このやり方だとうまくいくことが多いとおっしゃっていました。地道に、ひと剥きごとに、丁寧に。
包丁を入れる角度が大事な気がします。皮と平行に水平に入れないと、すぐに身をえぐってしまうのですよ。
「失敗したものは味見用に」とおっしゃっていましたが、ほぼ全部1箇所くらいずつ失敗した気がします(③)。
この鬼皮剥きは、きれいな渋皮煮を作るための、ひとつ目の山場だそうです。
最後にお尻の部分も丁寧に剥いていくのですが、ここにはワタのようなものがあるので、無理に包丁を入れなくても、ワタと鬼皮の間に包丁を入れると剥きやすいとのことでした(②)。
結構時間のかかる作業ですが、こういうの、好きな方はたっぷりと楽しめるのではないかと。私は無茶苦茶楽しかった。またやりたい。
作り方②アク抜きをする
たっぷりと鍋にお湯を沸かしアク抜きをしていきます。沸騰したら、小さじ1の重曹を入れ、栗をゆっくり入れていきます。上の写真は重曹を入れた瞬間のぶくぶくの様子です。
基本中火でフツフツした感じを維持しながら10分煮ていきます。あまりに火が強いと煮崩れるらしいので、火加減に注意しながらです。
重曹でアク抜きすると、みるみるうちにお湯が真っ黒になっていきます。浮いてくるアクを時々取りながら煮ていきましょう。
残り4分程度になったら、水を張ったもう一つの鍋を火にかけて、またお湯を沸騰させます。10分煮たら、極力前の鍋のアクを移さないように、網杓子で栗を取り出し、新しい鍋に移します。
重曹なしのお湯でさらに10分茹でてアク抜きを続けていきます。10分のアク抜きが終わった時には次の鍋の準備が出来ているようにしながら重曹抜きのお湯で、この作業を数回続けます。
2回で済む場合もあるし、4回かかる場合もあるそうです。栗によるのですね。10分煮た後の煮汁の色がロゼワインかウーロン茶くらいの感じになっていればもう大丈夫とのこと。こんな感じ?
ちなみに今回は4回アク抜きしてこの感じでした。しぶとかった。
これをそのまま30分から1時間程度冷まします。急激に冷やすと渋皮がパカッと割れてしまうことがあるそうなので、ただただそのまま冷ますのが大事なのですって。
手を入れられる状態になるまで冷まします。
作り方③栗の掃除をする
次に皮の表面に残った鬼皮のワタをきれいに取り除きます。
全体を指で撫でながら、溝に残ったワタは爪楊枝を使いながら、表面の細かなワタは手でクルクル撫でて取っていきます。正直、無茶苦茶気持ちいい作業です。写真はきれいになった栗たち。
作り方④煮ていく
掃除した栗を鍋に入れていきます。栗が重ならないよう、少なめの水で栗全体が浸かるように、出来るだけ平らに入れましょう。
ザラメの半量を入れ、栗全体がかぶるくらいの水を入れて弱めの火にかけ、ザラメをゆっくり溶かします。
最初のザラメが溶けたら残りのザラメを入れます。
その後、ペーパータオルなどで落とし蓋をし、中火にしてフツフツと軽く煮立つ状態を保ちながら煮ます。
泡の逃げ道がなくなって栗がぶつかり割れてしまわないよう、落とし蓋の真ん中には穴を開けておきましょう。
今度もフツフツ感を維持する感じで、そのまま30分程度煮ていきます。30分を目安に煮詰めたら、火を止める1分前に落とし蓋の上からブランデーを入れ、1分煮てアルコールを飛ばし、火を止めます。
煮汁から栗の上1/3が見えるくらい煮詰めるのが目安です。冷ますと徐々にとろみが出てくるそうです。鍋のまま1時間程度冷ますと、煮汁が半分くらいになり、きれいな艶が出てきます。
冷めたら保存容器に移します。煮汁も余すことなく入れましょう。冷蔵庫で一晩以上寝かせたら完成です。2日くらい寝かせると良いようでした。
シロップをかけて召し上がれとのこと。栗の甘さが最大限引き出された贅沢なスイーツです。
今回は残念無念
一晩寝かせたものを食べてみました。か……かたい……。涙。シロップの味は最高なのですが、栗がすごくかたかったのです。
相当時間火を通しているので、煮足りなかったというよりは、元々かたい栗だったような気がします。
悔しすぎるので、リベンジ決定です。シロップは、このまま固まれば、まさにマロングラッセの味、という感じで最高だっただけに、本当に残念。
上手にできれば最高と思う
やわらかく煮上がっていたとしたら、最高だっただろうな、と容易に想像がつきます。
そしてこのままでもいいけれど、バニラアイスと栗の渋皮煮は最強の組み合わせなのだとか。
渋皮煮を半分に切って、アイスと盛り付けて、シロップをかけたらシーズン最高のデザートになること間違いなし、と紹介されていました。
失敗作だけど、アイス買ってこよう。
栗を使って、何か、と思案中の皆様、時間がかかっても全部楽しい作業になる渋皮煮、ぜひトライしてみてくださいませ。