悪夢の朝
「えー、朝ごはん、米かよ! 俺、パンがいいんだけど!」
「えっ!? 昨日はご飯がいいって言ってたじゃない」
「昨日とは気分が違うんだよ! 母親なら、息子が何を食べたいか確認して作るのが普通だろ!」
朝から息子に文句を言われ、私はげんなり。起きてきた夫も私をかばうどころか、「ひどいな」と息子に同調。さらに5000円札を渡して「好きなものを買って食べろ」と甘やかす始末です。
こうしたことが毎日のように繰り返され、息子の言葉はどんどんきつくなっていきました。出勤前から気持ちが沈み、仕事にまで影響するほど。家庭内で私だけが責められ、孤独感が募っていきました。
「今日は何とか乗り切ろう」と自分に言い聞かせても、夫と息子の無神経な態度に心が揺らぎ続けます。家がまったく安らげる場所ではなくなっていました。
平日のゲームパーティー
ある夜、残業で疲れて帰宅した私を待っていたのは、夫と息子の信じられない会話でした。夫は高額なゲーム機を買ったことを自慢し、さらに息子に向かってこう言ったのです。
「明日は仕事も学校も休んでピザでも頼もうぜ! ゲーム三昧だ!」
「せっかくだから、ネットに『親子で徹夜ゲーム&ピザパーティー』ってタイトルで投稿しちゃおうぜ」
それを聞いた私は思わず声を荒げました。
「ふざけないで! 遊び半分で未成年の顔をネットにさらすなんて絶対ダメ!」
しかし、2人はまったく聞く耳を持たず、息子までが「頭の固いババアは嫌だな」などと口にしたのです。私は怒りと絶望で胸がいっぱいになりました。
夫の衝撃のひと言
冷静になろうと深呼吸し、ふと夫に尋ねました。
「そのゲーム機、どうやって買ったの?」
夫はあっさりと、「お前のカードで買った」と言い放ちました。私は思わず声が震えました。
「勝手に使うなんてありえない!」
しかし夫は「管理が甘いお前が悪い」と逆ギレ。息子も「どうせバレるんだから先に言っただけだよ」と開き直りました。
私は限界を超え、「もう我慢できない……家を出る!」と宣言しました。それでも夫と息子は、「勝手に出ていけば? どうせ寂しくて戻ってくるだろ」と鼻で笑ったのです。
兄の家へ、そして離婚へ
私は兄夫婦の家に身を寄せ、夫に離婚届を送りました。「あれだけ私を邪魔者扱いしていたんだから、離婚はすぐ成立するはず」と思っていました。ところが夫は拒否。
離婚話は難航し、3カ月が過ぎたころ、夫から何度も電話がかかってきました。しばらく無視していたのですが、ある日ついに出てみると――。
「どうなってるんだ! お前が学費を払わないせいで退学になったじゃないか!」
「家出中でも息子の学費くらい払え!」
私は冷静に答えました。
「もう関係ないわ。私はあなたと血縁関係もないし、離婚すれば夫婦でもなくなる。学費は実の父親が払ってください」
実は、息子は夫の連れ子。5年前に結婚した当初は私になついてくれていましたが、次第に態度が変わり、私は生活費や学費のほとんどを負担する“家計の支え”となっていました。家事も全部私任せ。まるで家政婦と財布を兼ねているような存在だったのです。
夫のウソと現実
さらに、夫が言った息子の「退学」はウソで、お金を引き出すための口実でした。実際には成績不振で退学寸前の警告を受けており、今も何とか踏みとどまっているとのこと。
夫は収入も家事も私に依存していたため、私が去ったことで生活が一変。今はかなり苦しい暮らしをしているようです。
私は離婚に向けて弁護士を立て、これまで記録していた暴言やトラブルの証拠を提出。最終的に離婚は成立し、慰謝料も支払わせることができました。
現在は兄夫婦と暮らしながら、仕事に専念できる日々を送っています。安心できる生活を取り戻し、ようやく心が落ち着きました。
これからは誰かのためではなく、自分自身の人生を大切に生きていきたいと思います。
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夫も息子も、妻や母に対する感謝や思いやりの気持ちが感じられませんでしたね。血縁関係がなくても、すてきな家族になれるケースはたくさんありますが、残念ながらすべては本人の心がけ次第なのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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