きゅうりの栄養的特徴【管理栄養士が解説】
「きゅうりは水分ばかりで栄養がない」と耳にしたことはありませんか?
でもこれ、結論からいうと誤解なんです。
確かに、トマトやピーマンのようにビタミンCがたっぷり含まれているわけではなく、エネルギー量も低いため栄養豊富な野菜というイメージは薄いかもしれません。
でも、だからといって栄養が全くないということではないんですよ。
きゅうりにもちゃんと栄養はある!
ざっくりまとめると、以下のような特徴があります。
・水分:約95% → 低エネルギー密度による“満腹感のわりに低カロリー”
・カリウム → 余分な塩分を排出し、むくみ予防に役立つ
・ビタミンK → 血液の凝固や骨の健康をサポート
・食物繊維(不溶性が中心) → 腸内環境を整える
これらを順番に説明します。
きゅうりの95%は"水分"
きゅうりは約95%が水分でできているので、食事中に多くの水分を取り入れられます。
水は0kcalなので、水分が多い食品はエネルギー密度(kcal/g)が低くなります。
水分の多い野菜を食事に組み込むと、同じ満足感でも総摂取カロリーを抑えやすいことが研究で示されています。
ほかにもさまざまな栄養素が
さらに、カリウムが含まれているので、体内の余分な塩分を排出しやすくし、女性が気になるむくみ対策にもつながります。
また、ビタミンKもきゅうりに含まれる栄養素のひとつ。
血液を固める働きや、骨の健康を保つ働きがあり、健康な体づくりに欠かせません。
量は決して多くはありませんが、日常的に取り入れることで少しずつ積み重ねられる栄養です。
そして忘れてはいけないのが食物繊維。
きゅうりは不溶性の食物繊維が中心で、腸の動きを促し、便通の改善や腸内環境を整えるサポートをしてくれます。
食物繊維は毎日の食事で不足しやすい栄養素なので、きゅうりのように気軽に食べられる野菜で補えるのはうれしいですね。
きゅうりのおすすめの食べ方
洗って切るだけで手早く食べられるのが、きゅうりのいちばんの良さ。
忙しい日の副菜や小腹満たしにも重宝します。
塩や味噌と合わせれば、年間を通して“軽いおやつ・つまみ”に。
運動後など汗をかいた日は、塩分補給の一助にもなります。
塩や酢で漬ければ作り置きに便利。
酢漬けならクエン酸も一緒にとれて、さっぱり感が続きます。
まとめて仕込んでおけば、副菜・お弁当・朝食の一品までオールシーズン対応できますよ。
塩昆布、ごま油と和えれば、手軽に一品副菜が完成し、脂溶性ビタミンの吸収も高まるメリットも!
ヨーグルトや白だしのディップ、サンドイッチの具、温・冷どちらの麺の薬味など、季節を問わず幅広いメニューに活躍します。
つまり、きゅうりは「メインで栄養をとる野菜」ではなく、「体を整える名脇役」。
ぜひ日常的に取り入れたい存在ですね。
管理栄養士「“きゅうりに栄養はない”は誤解です」
今回は、「きゅうりは栄養がないというイメージは誤解です」ということについて解説しました。
確かに他の野菜と比べるとビタミンやミネラルの含有量は多くありませんが、ゼロではありません。
このコラムをきっかけに、きゅうりの“名脇役ぶり”を生活の中で実感していただけたら嬉しいです。