ママ友との価値観の違いを感じ…
私の趣味は、フリマで子どもが好きそうな洋服を探すことです。当時2歳の長女が保育園に通い始めたころ、私は同じクラスのママ友たちと、毎朝のあいさつや立ち話をするようになりました。その中でも、特に仲良くなったのが、いつも明るくて社交的なママ友Aさんです。
ある日、保育園のお迎え後、子どもたちを園庭で遊ばせながら、Aさんともう一人のママ友Bさんと立ち話をしていたとき、子どもの洋服の話になりました。私は長女の服について「子どもの洋服は、ほとんどがフリマで買ったものなんです。お気に入りの服があるけど、もうすぐサイズアウトしそうで困っているんですよ」と何気なく話しました。するとAさんは、「え、〇〇ちゃんのママって、そういうタイプなんだ」と言います。
言葉の響きから、褒められているようにはとても聞こえませんでした。見下されているような、否定されているような、なんとも言えない嫌な気持ちになります。咄嗟に「え、どういうこと?」と聞き返すと、Aさんは「ちょっと意外。たしかに子ども服って割高だと思うけど、ほとんどフリマってことは、お下がりばかりってことでしょう? 子どもがかわいそうすぎるよ! うちは新品一択!」と言います。もちろん、古着を購入することに対する価値観は人それぞれなので、Aさんの「古着より新品がいい」という考え方を否定するつもりはありません。しかしAさんはさらに続けて「もしかして、家計が苦しいの? 旦那さんの給料、あんまりよくないとか!?」とまで言ってきたのです。私はそんな込み入った話にまで発展させられるとは思わず、驚きのあまり言葉が出てきませんでした。
すると、一緒に話をしていたBさんが、「Aさん、それは失礼だよ」と言ってくれました。Aさんは意地を張っているのか「え、でも新品のほうが“ちゃんとしてる家庭”って感じがするじゃない! 古着ばっかりなんて、貧乏人みたいでごめんだわ」と、どんどん口調が荒くなってきます。Bさんは淡々と「いや、新品だけが“ちゃんとしてる”わけじゃないと思うよ。やりくりじょうずで立派じゃない?」と返します。私はふたりのやりとりを一通り聞いたあと、「Bさん、ありがとう。本当にその通りでね、フリマで服を買ってるから、娘のしたい習い事も思いっきりさせてあげられてるんだ」と話しました。
長女はピアノにダンス、水泳を本人の希望で習っています。対してAさんは以前「習い事って全部高くて手が出せない」と話していたので、その話をされるとぐうの音も出なくなったのでしょう。「そ、そっか……」と気まずそうにその場を去ったのでした。
Aさんが去ったあと、Bさんは「私、〇〇ちゃん(長女)、いつもおしゃれな服着てて素敵だなって思ってたから、どこで買ってるか聞こうと思ってたの。フリマでそれが見つけられるなんて驚き! 私もフリマ利用してみようかな」と言ってくれました。その言葉を聞いて、私は心にあったモヤモヤがすっと消えていくのを感じました。自分が選んだものを「素敵だ」と言ってくれる人がいるだけで、Aさんの言葉なんて、どうでもよくなったのです。その後、Aさんとの関係は疎遠になったのでした。
人の価値観はそれぞれ違うもの。もちろん「古着が苦手」という人もいるかもしれません。しかし、それを「ちゃんとしていない」「貧乏くさい」と面と向かって非難するのは間違っていると私は思います。
今回の出来事で、私は価値観の違う相手と無理に合わせる必要はないし、自分の価値観をしっかりと持っていれば、他人の言葉に傷つくこともないのだと気づきました。自分を肯定してくれる人たちとの繋がりを大切にすると同時に、自分の価値観を他人に押しつけないよう気をつけていかなければと思った出来事です。
著者:桂ゆかり/30代・ライター。働く乗り物が大好きな5歳の男の子と、ティッシュをひらひらして遊ぶのが大好きな3歳の女の子を育てるママ。夫は夜勤のため、月〜土曜日までワンオペの日々を過ごしている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
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