高卒をバカにしていたB
僕は自動車関係の会社を経営しています。会社も軌道に乗り始めたころ、自分の車が欲しいと思い、ディーラーへ行きました。
お店に入ると、店員が僕の顔を見るなりニヤニヤと笑って近づいてきました。販売員としてお店にいたのは、高校の同級生だったB。彼は、昔から僕のことをバカにしてくるところがあって……。Bは、
「相変わらず整備士やってるのか?」
と声をかけてきました。もともと僕は自動車整備士になりたいと思っていました。そのため、高校卒業後は自動車整備工場で働き、実務経験を積んで資格を取得しました。その後もさらに実務経験を積んで、1級自動車整備士の資格を取得。時間はかかりましたが、車のすべての部分を整備できる資格のおかげで、僕は会社を設立することができました。
しかし、当時、事情を知らないBは僕のことを「今どき高卒?!」と笑っていました。彼は、良い大学に入って良い就職先を見つけることが良い人生を送る上で大切だと思っていたよう。
そんな彼ですが「だいぶ出世したんだよ、俺は。お前はこんな高級店になんの用?」と相変わらずな様子でした。
「ここじゃなくて、高卒のお前にはもっとふさわしいお店があるよ」と高卒を理由に彼はいびってきました。僕が嫌な気持ちになり、お店を後にしようとした瞬間、良く知っている人物が声をかけてきました。
声をかけてきたのは
帰ろうとする僕の後ろから声をかけてきたのは……僕の得意先である会社の社長。「どうしてここに社長が…」と思っていると、慌てているBの様子が目に入りました。
来店予定はなかったみたいでしたが、近くまでやって来たため顔を出したとのこと。実は、このディーラーは社長が僕に紹介してくれたのでした。僕が「そろそろ車が欲しい」と言ったときに、「それなら、良いお店がある」と教えてくれたのです。
社長は僕とBの会話を聞いていたようで、「こんなひどい接客をするとは思っていなかった」と激怒していました。
そして、「今後、このディーラーでは車を購入することはないし、人にも紹介しない」と言ってお店から出て行ってしまいました。
Bの末路は?
Bは急いで社長の後を追い、弁解したようですが聞き入れてもらえなかったよう。社長はBが担当していたお客様だそうで、社長から「今後お店に来ることはない」と言われてしまい、相当落ち込んでいました。
「なんでお前とあの人が知り合いなんだよ!?」と食い気味で聞いてきたBに、僕は自分の会社を立ち上げたこと、彼が得意先の知り合いで良くしてもらっていたことを伝えました。
それを聞いたBはあ然。今までバカにしてきた同級生が会社を立ち上げて、しかも自分の会社と取引のある企業の社長と親しくしていた事実を受け入れられなかったのでしょう。
立ち尽くすBとお店の人たちを置いて、僕は販売店を後にしました。
僕の会社は最近軌道に乗り始めたばかりです。もちろん、これからも精いっぱい働いて会社を大きくしていきたいと思っています。もし大きな会社になったとしても、人を肩書きで判断する人にはなりたくないと感じました。働いていく中で、たくさんの人と話をして、いろいろな面から人を見られるような人物になりたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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