在宅ワークは低収入?
私はフリーランスでデザイナーの仕事をしています。経験を積むうちに指名での依頼も増え、やっと仕事が軌道に乗ってきたと感じていたころ、5年交際していた彼からプロポーズをされました。仕事も恋愛も順調だったとき、思いもよらない人物から連絡が届いたのです。
それは彼の妹からでした。届いたメッセージには「在宅ワークなんて低収入でしょ。兄と結婚なんて許さない」と書かれていました。彼の妹とは面識もありましたが、突然のメッセージに動揺してしまいました。
このことを彼に相談すると「誤解を解こう」と提案され、3人で話し合うことに。
大企業で働く兄には不釣り合い
数日後、喫茶店で彼と彼の妹と3人で話をすることに。彼女は会うなり冷たい視線を向け、在宅で仕事をしている私を見下すような口調で話し始めました。
「在宅でできる仕事なんて誰でもできる」
「低収入の人が兄の妻になるなんてあり得ない」と彼の妹。
私は自分の仕事の内容や収入を丁寧に説明しましたが、彼女は聞く耳を持ちませんでした。
「兄は大企業勤めでエリート。あなたみたいな人は釣り合わない」とも言われて……。
彼の妹の言葉に一瞬「え?」と思い、彼に視線を向けると彼はただ困ったように黙っていました。それから彼が言葉を発することはなく……。なんとか話を終え、その場は解散となりましたが、私はモヤモヤとした気持ちでいっぱいでした。
彼が「大企業勤め」はウソ
話し合いの翌日。彼と会った際に「昨日は気まずかったけど、もう気にしないでほしい。妹のことは僕が何とかするから」と言われました。穏やかな口調でしたが、どこか歯切れが悪く感じて……。
私は前日の話し合いの途中から、彼の妹の口から出ていた「兄は大企業勤め」という言葉がずっと引っかかっていました。なぜなら、彼は会社を辞めていたからです。それなのに、なぜ妹はそんなふうに言ったのか。
しばらく考えた末、正直に尋ねてみました。
「妹さんには、今の仕事のこと、話してあるの?」
彼は少し黙ったあと、小さく「実はまだ言ってない」と呟きました。彼はたしかに以前、大手企業に勤めていましたが、「合わないから」と退職。その後、再就職はせず、私の収入で生活していたのです。
「ちゃんと話してくれないと、今後の私たちの関係はうまくいかないと思う」と伝えましたが、彼は「今さら言えない。バレたら情けないだろ」と答えるばかり。妹の前で黙っていた理由も、家族に知られたくなかったからだと知り、深く落胆しました。
数日後、彼から「やっぱり結婚の話は一度白紙にしよう」と連絡がありました。理由を聞くと、「妹や親に自分の状況を説明できる自信がない」とのことでした。私も無理に続ける気持ちはなく、「そうだね。今はお互いに違う道を考えたほうがいいかも」と返し、私たちはお別れすることになったのです。
妹に真実を伝えると…?
しばらくして、彼の妹からメッセージが届きました。
「婚約、やめたんですね。お兄ちゃんもスッキリしたみたいです。今度、私の友人と会う予定なんですって」と、どこか勝ち誇ったような文面でした。
もう関わるつもりはありませんでしたが、彼が家族に無職であることを隠したまま次の相手に向かっているのを思うと、放っておけませんでした。
「お兄さんのことだけど、もう会社は辞めていますよ。今は仕事をしていないの」とだけ伝えました。
最初は「そんなわけない」と否定していた妹でしたが、しばらくして連絡は途絶えました。きっと真実を知ったのでしょう。
正式に婚約を解消したあと、これまで彼と過ごしてきた時間を振り返りながらも、不思議と後悔はありませんでした。何度考えても、彼との結婚後の生活には不安を抱くだろうと思ったからです。5年も交際していたのに、あっけない終わりになってしまいましたが、自分の仕事を大切にしながら、心から信頼できる人と出会いたい――そう今は思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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