こんにちは。助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。今日は、赤ちゃんの本能についてお話しします。知っておくと育児に役に立つこともあるんですよ。
移動中にあらわれる本能
動物はみんな効率よく生き延びるための本能を持っています。移動中に泣いたり暴れたりすると、親が運びにくかったり落とされてしまう危険があったり、敵に見つかりやすくなったりするので、哺乳類の赤ちゃんは運ばれるとき、親に口でくわえられると体を丸くしてじっとしています。
これは「輸送反応」といって、自然界で身を守るために、哺乳類に備わっているチカラだといわれています。哺乳類は未熟な状態で生まれるので、親子関係は最も大切。一番基本になる社会関係です。赤ちゃんが親の行動に合わせ、協力することで、赤ちゃん自身で自分の身を守ります。その本能の1つが「輸送反応」としてあらわれるのです。
ママは知らないうちにやっている?!
人間の赤ちゃんも動物と同じで、泣いていても抱き上げた瞬間に泣き止むことが多いです。それでも泣き止んでくれず、どうしようもないときには、次の手段として多くのママは赤ちゃんを縦抱きにして、自分も立ち上がってゆっくり揺らします。そうすることで赤ちゃんが泣き止むことを、ママたちは本能的に知っているかのようです。
さらに赤ちゃんがギャン泣きしていたら、「縦抱きにしてスクワットをするとピタリと泣き止む」というのは有名な話です。どうしてスクワットで泣いていた赤ちゃんが落ち着くのでしょうか? 横方向の揺れより縦方向の揺れで赤ちゃんは落ち着きます。これこそが「輸送反応」なのです。
たて抱きや乗り物でぐっすりのワケ
動物は赤ちゃんの首の後ろをくわえて縦姿勢で運びますよね。そうすると、親が歩くときに赤ちゃんが感じるのは、横の揺れではなく縦の揺れ。赤ちゃんは縦方向の揺れを感じると「輸送反応」のスイッチがONになっておとなしくなるわけです。
人間の赤ちゃんも抱っこして歩いたり、乗り物に乗って揺れたりすると心拍数が下がって落ち着き、泣き止みます。動物の赤ちゃん同様に本能的にリラックスする機能が備わっているのです。
ママにとって、育児は大変なストレスがかかる仕事です。泣き止まない赤ちゃんに対応するのはホントにしんどい! そんなときに、哺乳類全般に共通する「輸送反応」を思い出して、赤ちゃんにもぜひ協力してもらいましょう!