遅刻を繰り返す新人たち
新入社員の3人は、全員部長の親族ということもあってか、最初からどこか緊張感がなく、遅刻が続いていました。それも毎回1〜2時間遅れて出勤し、悪びれる様子もありません。
私が「出勤時間を守ってくださいね」と穏やかに注意しても、「はい」と言うだけで改善されず。さらに、共有スペースの冷蔵庫に入っていた他の社員の飲み物を勝手に取ってしまうこともあり、注意するたびに空気が険悪になっていきました。
部長に相談しても取り合ってもらえず
あまりに状況がひどいため、私は部長に相談しました。ところが返ってきたのは、「多少の遅刻くらい大目に見てあげてよ。まだ慣れてないんだし」という言葉。
それでも、彼らは勤務中にゲームや動画を見てばかりで、仕事をしている様子はありません。「さすがに業務に支障が出ています」と再度伝えても、部長は聞く耳を持たず、「彼らはちゃんと頑張っている」と言い切ったのです。
私は社長にも報告しましたが、「部長はうちで一番信頼している社員だから」とのこと。この時点で、私は社内で孤立しているような感覚を覚えました。
突然の解雇通告
数日後、部長に呼び出された私は、「明日から来なくていい」と突然告げられました。理由を聞くと、「新人たちに暴言を吐いたり、精神的に追い詰めたと聞いた」とのこと。
まったく身に覚えのない話です。どうやら、新人たちが自分たちに都合のいいように話を盛って報告していたようでした。
私はショックでしたが、部長が完全に彼らの言葉を信じている様子だったので、もう何を言っても無駄だと思い、荷物をまとめて会社を後にしました。
翌日、社長から100件の着信が
翌日、ゆっくり寝ていた私のスマホが震えました。仕事用の携帯をうっかり持ち帰っていたのですが、画面には社長からの不在着信がずらりと並んでいます。数えてみると100件近く。驚きながらも、昨日の件で連絡を取る気になれず、無視していました。
すると数時間後、家のインターホンが鳴り響き、外には社長の姿が。「お願いだから戻ってきてくれ!」と深々と頭を下げる社長に、私は思わず立ち尽くしました。
真相が明らかに
話を聞くと、主要取引先から「部長では話が通じない。担当を代えてほしい」と強く言われたそうです。それで初めて、私が日々おこなっていた取引対応や調整業務を、部長がすべて自分の成果として報告していたことが発覚したとのこと。
社長は「君がいないと仕事が回らない」と涙ながらに言ってくれましたが、私は静かに「申し訳ありませんが、戻るつもりはありません」と伝えました。
私は、虚偽の報告をしていた部長にも、きちんと確認をせずに信じた社長にも失望しました。そして、あの新人たちも最後まで謝ることはなく、社内の雰囲気が良くなる未来はとても想像できませんでした。
その後、会社は取引先を失って経営が悪化したと聞きます。一方の私は、妹が経営する会社に転職し、信頼できる仲間と再スタートを切ることができました。
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身内びいきや一方的な判断は、組織を弱体化させる原因にも。どんなに小さな会社でも、「事実確認を怠らない」「全員に公平に接する」姿勢が信頼関係を築くカギなのかもしれません。まさに「誠実さこそが最大の信頼」だと痛感する出来事でしたね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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