愛育病院(神奈川県大和市)院長インタビュー

患者さんは無痛分娩の方が8割以上

外観からゴージャスな雰囲気の愛育病院

「愛育病院は開院当初から無痛分娩をやっていました。お産というのは、すべての方が無事に産まれ、育つわけではなく、ある程度のリスクがあります。そういった不幸が極力おきないように、計画分娩をすすめてきました。今では患者さんの口コミでも話題になり、無痛分娩を選択する患者さんが8割を超えることもあります。秋田県にお住まいということで、1カ月間ホテルから通ってきてくれた方もいらっしゃいました。もちろん、通常の自然分娩も実施しています」

院長でもある井澤秀明理事長

「日本で無痛分娩が進んでいない理由には、お産時に使う硬膜外麻酔法以外の麻酔方法においてリスクがあったこと、日本古来から“おなかを痛めることで立派な母親になる”という考え方があったことなどがあげられます。しかし、シンプルに考えると、痛いより痛くないほうがいいですよね。当院のドクターは全員が硬膜外麻酔法のベテランで、ほかのスタッフたちも無痛分娩に関して豊富な経験を持ち合わせています。その結果、計画分娩となりますので、院内は産婦人科らしくない病院なんですね。また、もうひとつ力を入れているのが食事です。妊婦さんには、どんなレストランよりもおいしいものを召し上がっていただきたいのです」

無痛分娩に関して、しっかり情報提供していくことが重要

明るい診察室。患者さんとのコミュニケーションも徹底

「当院では、最初から無痛分娩をご希望される患者さんもいらっしゃいますが、そうでない方もいらっしゃいます。どちらも、初診のときから出産についての情報をしっかりとお伝えすることを徹底しています。愛育病院は開業して25年。ドクターやスタッフも女性であれば、出産を経験した者も増えてきて、出産経験を生かした自分の言葉で患者さんとコミュニケーションをとることを心がけています。とはいえ、最近は口コミで無痛分娩を希望される患者さんが多くなりました。その影響を受け、産院全体の無痛分娩の割合が高くなり、ほとんどが計画分娩となります。その結果、スタッフの残業時間もほとんどなく、医師が急に駆けつけることも少なくなり、安定した高品質の医療サービスの提供へと繋がっています。もちろん、スタッフには“患者さん(お客様)は神様である”と日ごろから徹底していますので、当院ではサービスの精神も行き届いていると自負しています」

日本でも無痛分娩の比率50%を目指したい!

病院とは思えない愛育病院のエントランス(二階から撮影)

「現在、日本全国で無痛分娩比率は3%程度です。アメリカでは約60%、フランスでは約80%と、日本とは比べ物にならないぐらい無痛分娩が浸透しています。当院では、無痛分娩比率80%になりますが、ほかの産婦人科でもどんどん無痛分娩が増えていっていいと考えています。開業医が積極的に無痛分娩に取り組んでいるところもありますが、今後は大学病院でも無痛分娩を広めていくことで、若いドクターたちがどんどん実施していけるようにしていきたいと考えています」

※無痛分娩で使う硬膜外麻酔法について
無痛分娩でお産をするときには、硬膜外麻酔を使って痛みの9割以上をとります。そのため、緊張がなくなり、産道が早くひらいて分娩時間が短くなります。疲労もないので、退院してから赤ちゃんのお世話もしっかりできます。そして緊急時、1分1秒を争う場合にはそのまま帝王切開もできる麻酔です。

清潔感のある明るい個室

「私は音楽や美術など、美しいものを鑑賞することが好きなのですが、この世でいちばん美しいものは、出産直後の女性の”笑顔”だと思っています。お産はまさにビーナスの誕生ですね。私たちがいちばん患者さんにお伝えしたいことは、“お産はつらいものだと思っていませんか?楽しいお産をしませんか!陣痛は痛くないんです。赤ちゃんが生まれるのは楽しいということを経験しませんか“ということです。ぜひ、私たちと一緒に楽しい出産をしていきましょう」

愛育病院の自慢の産院ごはん。とってもおいしかったです!

ベビーカレンダー編集部


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