塩塚産婦人科(神奈川県厚木市)院長インタビュー

カテゴリー│インタビュー 2017/06/15 12:00

ソフロロジー式出産法でニコニコ笑顔のお産を

塩塚産婦人科外観
待合室

塩塚院長「当院のいちばんの特徴は、ソフロロジー式出産法を行っているところです。ソフロロジー産前教育は、フランスのパリ発祥で、お産前にイメージトレーニングを繰り返すことによって、お産に伴う”こわい、つらい”という感情を”赤ちゃんに出会えるよろこび”に変えるという考え方です。

分かりやすく言うと、わきの下を自分で触るのと他人に触られるのとでは、感じ方が違いますよね。刺激は同じなのに、他人に触られるとくすぐったい。お産も同じことです。同じ”陣痛”という痛みがきても、感じ方によって脳が痛みと認知しなければ痛くないんです。

ソフロロジー式出産法を行うためには、呼吸法、リラックス法、イメージトレーニングなどの講習を受けて、毎日ご自宅でイメージトレーニングをしていただきます。そして、いざお産となったときに、そのイメージトレーニングを繰り返すんです。

事前にイメージトレーニングをしているので、講習会を受けた方はみんなとてもリラックスして赤ちゃんを産んでいます。なかにはニコニコ笑顔でお産される方もいらっしゃいます。もちろん個人差はありますが、何もしないでお産される方と比較すると格段に差が出ると思います」

ソフロロジー式出産法についてお話しされる塩塚院長
ソフロロジー講習会の様子

塩塚院長「塩塚産婦人科でソフロロジー式出産法を取り入れたのは、20年前くらい前のことです。当時は入職して数年だった現総師長の片岡敦子さんに、日本でソフロロジー式出産法を初めて導入した熊本の松永産婦人科さんで学んできてもらい、教室を立ち上げました。

その後、平成21年に松永産婦人科さんがテレビで取り上げられて、神奈川で同じ出産法ができる産院が塩塚産婦人科だと紹介され、ソフロロジー式出産法に興味を持った妊婦さんからの電話が殺到しました。現在、ソフロロジー式出産法を取り入れている産院は、全国で50施設ほど、神奈川県では5施設あります。

ソフロロジー法のイメージトレーニングをしてくださると、帝王切開術後の痛みをやわらげることもできます。妊娠中にイメージトレーニングをおこなうと、母性がはぐくまれ、おなかの赤ちゃんへの愛情が深まり、早く会いたいという気持ちが強くなります。お産の方法は『自然分娩』でも『帝王切開』でも『無痛分娩』でもいいんです」

患者さんのどんな要望にもお応えしたい

分娩室(左)と手術室(右)

塩塚院長「塩塚産婦人科では自然分娩のほかに、計画分娩、無痛分娩も行っています。無痛分娩をご希望で来院される方も多く、年間800件ぐらいのお産をしているなかで、無痛分娩の方が毎年300人前後いらっしゃいます。

また、帝王切開後の経膣分娩も行っています。希望する方がいる以上は積極的に行っていきたいと思っています。当院は、分娩室と手術室が隣なので、お産の状況に合わせてすぐに切り替えができるというメリットがあります」

新生児室
落ち着いた雰囲気の個室

「塩塚院長「また、塩塚産婦人科では誰でもお産に立ち会えます。スペースの都合上、人数に限度はありますが、ご本人が希望すれば、ご主人はもちろん、上のお子さんもご友人も、お父さんでも立ち会いが可能です。異常が起きたときでも、たとえ帝王切開になっても立ち会えます。すべてオープンにするのが当院の方針。これは理事長先生のころから変わっていません」

お産後すぐに「上の子の運動会に行きたい」という患者さんの要望にも、スケジュールの調整と新生児を預かることによって、応えたこともあるとのこと。どんなことでも患者さんの要望に応える方法を考えることが塩塚産婦人科のスタイルのようです。

自慢はとにかく患者さんにやさしいスタッフ

外来スタッフのみなさんと塩塚院長
病棟スタッフのみなさんと塩塚院長

塩塚院長「当院のスタッフは誰もが患者さんにやさしく接してくれます。患者さんのアンケートで『スタッフがやさしい方でよかった』という意見を見るとうれしくなります。また、助産師も余裕を持った人数で働いているので、負担も少なく、楽しく働いてくれています。いちばん長い方は、30年近く塩塚産婦人科で働いていますね」

取材中は塩塚院長に院内をご案内いただきましたが、塩塚院長が行くところ行くところでスタッフのみなさんの笑い声が響き、和やかな雰囲気になることがとても印象的でした。塩塚産婦人科のアットホームな雰囲気は、塩塚院長の人柄の影響が大きいのかもしれませんね。

「塩塚産婦人科では、院長と総師長の連携を密にするよう心がけています。まとめる立場である私たち2人がしっかりしていれば、スタッフも安心して働けると思いますから」と塩塚院長。片岡さんが総師長になった昨年から、スタッフの方たちのまとまりも、よりいっそうよくなったとのことです。

患者さんに寄り添う看護を

塩塚産婦人科のケアについて語る片岡敦子総師長

片岡総師長「患者さんがいちばんよろこんでくださる、患者さんに寄り添う看護をしています。塩塚産婦人科は、妊娠初期から出産、産後の健診まで継続して同じ助産師が担当するので、患者さんにも安心していただけるうえに、助産師自身もすごくやりがいがあります。

異常がなければ、お産も助産師主導で行っています。塩塚産婦人科で一人目をお産された方は、二人目、三人目と来てくださいます。また、母娘で来てくださる方々もいらっしゃいます。とてもうれしいことですね。

スタッフたちは、積極的にセミナーや研修会に参加するなど、とても勉強熱心です。私たちだけではできないことも、市や地域と連携しておこなっています。今年から毎週土曜日に、臨床心理によるカウンセリングルームを開設しました。これからは産後のケアや心のケアにも、もっと力を入れていきたいと思っています。

そして、これからも塩塚産婦人科を選んでくださった方が『選んでよかった』と言ってくださるような医療、看護、サービスを提供していきたいと思っています。また、スタッフ一人ひとりが、そういった意識を持って患者さんをお迎えしていきます。これからも患者さんがいちばんよろこんでくださるような、患者さんに寄り添う看護をしっかりと続けていきたいと考えています」

一カ月健診の様子
取材時に産後入院されていた患者さんと院長先生

なかなか患者さんの写真を撮らせていただく機会は少ないのですが、みなさん笑顔で快く撮影にご協力いただきました。アットホームな塩塚産婦人科ならではの1枚です。

塩塚院長「ソフロロジー式出産法というのはすばらしい出産法なので、これを日本全国に広めていきたい、ぜひみなさんに経験してほしいと考えています。

とにかく赤ちゃんとお母さんが元気で、赤ちゃんとお母さん、そしてご家族全員が全員満足して帰っていただきたい。それが塩塚産婦人科のモットーです」

ソフロロジー式出産法に興味がある方もそうでない方も、塩塚産婦人科でのお産は患者さんの満足度がとても高いようです。今後も塩塚産婦人科に注目ですね。

ベビーカレンダー編集部


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