みらいウィメンズクリニック(千葉県印西市)産院ごはん
入院期間中にママが食べながら栄養を学んでいく
(以下、管理栄養士の矢部まり子さん)
「みらいウィメンズクリニックの産院ごはんは、家族の健康管理を担うお母さんへの食育の意味も込めて、“入院期間中は今後の育児疲れに備えて、野菜やお肉、魚を使った美しく変化にとんだ料理を食べてほしい”という思いが込められています。産院ごはんを通して食事や栄養について学び、産後、家庭に戻られた際に、たんぱく質がしっかり入った家庭料理を意識してもらえるように、食材や献立を工夫しています」
「みらいウィメンズクリニックの産院ごはんの基本は、家庭でも生かせるような栄養バランスのいい献立。日によっては、便秘解消や母乳に効果のある献立も盛り込んであります。患者さんが退院されてから、家庭料理にも取り入れてもらいたい献立ばかりです。1週間の献立をお知らせするメニュー表には、当院がこだわっている食事についての解説や、提供している料理のレシピも掲載しています。産院ごはんを実際に召し上がった患者さんからは、『とってもおいしかったので、退院して家に帰ったらマネして作ります!』とのうれしい声もありました。このレシピや、栄養バランスのいい産院ごはんを通して、患者さんが退院してからも家族の栄養バランスを考えるキッカケになればと思っています」
患者さんから大好評!色とりどりの豪華な食事とお祝い膳
「家庭料理にも生かせる栄養バランスのいい献立のほかに、週に数回、豪華なバージョンの“ランチ”や“お祝い膳”を、入院中の患者さんに楽しんでもらっています。今日の豪華ランチのメインは『ローストビーフ』で、グラスに注がれているのは一風変わった『小松菜のサイダー』です。添えられている色鮮やかな野菜も、季節に応じてとってもおいしい旬のものを使用しています」
「患者さんの出産のお祝いには“お祝い膳”をお出ししています。いつも以上に料理の彩りや盛り付けにもこだわり、出産という大役を終えた患者さんにお祝いの気持ちをお伝えしています。退院された患者さんからは『盛り付けやペーパーナプキンなど、細部までハイセンス!まるでホテルにいるかのような食事でした』『ゆっくり外食もできていなかったのでお祝い膳は本当にうれしかった』というよろこびの声が寄せられました。入院中の食事を楽しみにしてもらいたいという私たちの思いが伝わり、うれしく思っています」
レストラン風の料理と家庭料理はシェフが開発!
(以下、シェフの小山浩徳さん)
「みらいウィメンズクリニックのシェフは私と影野さんの2人です。患者さんにお出ししている産院ごはんの献立は、私たちシェフが考案し、十分な栄養が摂れる料理になっているか、管理栄養士に監修してもらっています。栄養バランスのとれた毎日違う献立と、こだわりの豪華ランチやお祝い膳で、患者さんに『おいしい!』と言ってもらえることが私たちの何よりのよろこびです」
土からこだわった新鮮で栄養豊富な有機野菜を患者さんへ
「産院ごはんに使用している有機野菜は、『伊藤苗木』という農園のもの。クリニックの庭に植える花の苗を探していて、地元の評判が高かったのが『伊藤苗木』。訪ねてみると、土づくり、肥料づくりから取り組み、発酵中の腐葉土からは湯気が出て、おいしそうな土をしていました。苗だけでなく、野菜も販売しているということで購入した野菜のおいしさにびっくり。味付けのいらない野菜本来のおいしさ。こんな野菜が身近でいただける幸せを患者さんにも味わってほしいと、みらいウィメンズクリニックの産院ごはんに取り入れています。その時期にいちばんおいしい状態の野菜を『伊藤苗木』が選別し、出荷してもらっています。旬の野菜が手に入ったときには、メイン食材に合った付け合わせをアトリブで考えていくなど、自由な発想も忘れずに私たちシェフが調理しています。地元・千葉県で育てられたおいしい野菜を使うことで、地域の活性化にもつなげていけたらと思っています」
「伊藤苗木」の野菜は「土づくり」から!
(以下、「伊藤苗木」小山美千代さん)
「伊藤苗木の野菜づくりは、土(腐葉土)づくりからスタートします。栄養豊富な腐葉土を使い、苗木の段階から温室で厳重管理のもと育てています。そんな伊藤苗木の有機野菜は、法人関係からの注文も多く、主に都内のレストランやホテルに出荷しています。帝国ホテルの日本料理店「東京 なだ万」の料理長が直接見に来てくださるなど、うれしいことに評判をいただいています」
栄養相談で患者さんの栄養管理をサポート
(以下、管理栄養士の矢部まり子さん)
「栄養指導には、私を含めて現在3人の管理栄養士が対応しています。私自身は、約6年間、総合病院で栄養管理をしたのちに出産を機に千葉県に戻り、この「みらいウィメンズクリニック」で出産しました。そのときに院長の『重要な妊娠期に、食について考えるキッカケを作りたい』という栄養指導への思いに大変共感したことと、産後は育児に追われて外食にもなかなか行けなくなるお母さんに、"食でおもてなしをする"という考え方に感動し、縁あってこちらで働き始めました」
「胎児期に低栄養にさらされた赤ちゃんの影響は、その後、3世代続くといわれているほど、母親の妊娠期の栄養管理はとても大切です。そのため、出産するまでに最低2回の栄養相談をして、患者さんの栄養管理のサポートをしています。貧血や妊娠糖尿病などの疾患がある方は、健診のたびにお会いして最高の分娩になるようにサポートしていきます。摂取すべき栄養素や避けたほうがいい食品、体重管理についてなど、患者さんの体とその先の赤ちゃんのことを考えながらお話をしています。食の重要さに気付いてくださった方から、退院後に『栄養相談を通して食に対する考えが変わりました』とおっしゃっていただけることも増え、これからも患者さんと赤ちゃんのために一人ひとりに合った最適な栄養指導を続けていきたいと思っています」
栄養について考える妊婦向け料理教室と離乳食教室を開催!
「みらいウィメンズクリニックでは、栄養外来での栄養相談のほかにも、妊婦向けの料理教室と全月齢の赤ちゃん対象の離乳食教室を月に2回開催しています。妊婦向けの料理教室は、料理は苦手だけど、おなかの赤ちゃんのために栄養満点の料理を作りたいという妊婦さんにぜひ参加していただきたいです。離乳食教室は、事前に赤ちゃんの月齢をお伺いして、それぞれの月齢に合った材料で離乳食のレクチャーをしているところがいちばんの特徴で、離乳食に対してまだ不安のある産後のお母さんにおすすめです」
栄養士が行う運動指導
「産後の悩みとして、『体型崩れ』や『骨盤矯正』、『むくみ』があげられます。当院では、加速トレーニングマシーンを設置し、短時間での筋力トレーニングが可能となっています。管理栄養士や看護師が『体を整える』運動メニューを用意し、運動が苦手の方でも、その人にあった運動指導を行うと同時に、栄養の相談についてもお答えしています。産後に骨盤のケアをすることで、加齢とともに生じる腰痛や尿もれの予防にもなります。日ごろから簡単なストレッチをして、体をほぐすことが大事です」
患者さんへの食育が家族の健康へ、そして地域全体の健康へ
「みらいウィメンズクリニックの産院ごはんは、シェフと私たち管理栄養士の知識と愛情がぎゅっと込められています。“患者さんへの支援が産後のお母さんと赤ちゃん、ご家族の健康へつながり、さらには地域全体の健康につながっていく”という院長の考えのもと、産院ごはんや栄養指導を通じて、これからも取り組みを続けていきます。当院の栄養外来では、妊婦の方だけでなく、妊活中や産後の方、更年期のある方、持病のある方など、女性を対象に幅広い年代の方への栄養相談をワンコインで行っています。毎日の食事や栄養管理、ご家族の健康管理についてわからないことがあれば、気軽にご相談くださいね」
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