【助産師監修】悪露(おろ)って何? 産褥期の悪露の変化と対処法

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

悪露イメージ

 

初めての妊娠・出産では「悪露(おろ)って何?」と思う人が多いかもしれません。悪露の状態を観察することは産後の子宮の回復状態を知る目安にもなります。ここでは悪露について、産褥期の変化や対処法、注意したい点について詳しく紹介していきます。

 

 

悪露って何?

悪露とは、妊娠によって大きくなった子宮が出産後に元の大きさに戻る過程(子宮復古)のなかで、子宮腔内から排出される分泌物のことです。悪露は、胎盤が剥がれた部分からの出血や分泌物が主な成分です。子宮内膜が再生され、子宮の大きさが妊娠前の状態になると悪露は出なくなります。

 

 

悪露はいつまで続くの? 産褥期の悪露の変化

悪露の色は出産してから数日間は経血と同じように赤い色をしていますが、子宮復古が進むにつれて色は薄くなり、分娩8週後までには消失します。悪露がなくなるまでは次のような経過をたどっていきます。

 

<産褥2~3日>
血液成分が多いため見た目はほぼ血液と同じで、赤色悪露(血性悪露)と呼ばれています。量も多いのが特徴ですが、通常血液の塊が混じることはあまりありません。

 

<産褥3~4日以降>
悪露に含まれる血液中のヘモグロビンが変性し、悪露は褐色になります。量も徐々に減少していきます。

 

<産褥2週以降>
産褥約2週以降は透明で淡黄色の黄色悪露になり、2~3週間続きます。

 

<産褥4週ごろ>
この時期はの悪露にはほとんど色はついておらず、白っぽい色に変化します。この時点での悪露はおりものと変わらないようになり、悪露がなくなったと感じるようになります。

 

 

こんな悪露は要注意!

産後に排出される悪露ですが、注意しなければならない状態があります。
何気なくパッドを交換しがちですが、悪露の量、性状、においの変化には注意しましょう。

 

活動量が急に増えることによって一時的に悪露の量が増えることがありますが、悪露の量が多い状態が続いたり、血液の塊が混じっているような場合は、子宮復古不全の可能性があります。

 

子宮復古不全の原因はさまざまありますが、赤ちゃんを包んでいた卵膜や胎盤組織が排出される場合には、胎盤遺残(子宮内に胎盤が残っている状態)の可能性もあります。超音波検査で胎盤遺残と診断された場合、胎盤を除去する処置が必要になることがあります。

 

悪露に悪臭を伴う場合は、子宮内感染により炎症が起こっている可能性があります。悪臭だけでなく、悪露の性状も膿状になることがあり、発熱することもあります。子宮内感染が疑われる場合、血液検査や悪露の培養検査、抗菌薬の投与などがおこなわれます。

 

これらの悪露の変化に加え、下腹部痛、発熱などの症状がある場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

 

 

 

悪露が排出されている間の対処法

産後1週間程度は生理用ナプキンより大きめの「産褥パッド」を使って対処します。産褥パッドは生理用ナプキンより厚くて大きいため、しっかりと血液を吸収できるようになっています。悪露の量が少なくなってきたら生理用ナプキンを使うといいでしょう。

 

出産直後は、助産師さんが悪露のチェックや産褥パッドを交換しやすいように、股の部分がマジックテープで開閉できる「産褥ショーツ」を着用するのがおすすめです。この産褥ショーツは会陰部の状態を確認する時にも下着を上げ下げする必要がないため便利です。

 

産院によって、排泄後に陰部を清浄綿で拭き、清潔にするよう指導されることもあります。入浴の際、湯船につかることは産後1カ月健診までは不可なので、シャワーで済ませるようにしましょう。
 

 

まとめ

悪露は、出産後に子宮が妊娠前の状態に戻る過程で子宮内から排出される血液混じりの分泌物をいい、子宮の回復とともに減っていきます。悪露が多い時期はまだ子宮の状態が完全に回復していない時期ですので、無理のない範囲で行動することが大切です。
 

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

 

◆陣痛に関連するQ&A

 

 

◆産後の体調に関連する体験談

口の中がとても苦くなるつわりが最初から産むまであってつらかったです。妊娠22週に入ってすぐに重症の子宮頸管無力症による切迫早産で緊急入院し、子宮口を縛る手術をしました。その後、ずっと24時間点滴で寝たきり生活になりました。最初の3週間ぐらい、お風呂もシャワーも入れないし、ごはんも寝たまま食べないといけないし、逆流性食道炎で胃も痛いし、吐いてばかりでつらかったです。出産のときは子宮口が5~6cm開いているのに陣痛が来なくて心配しましたが、結局、陣痛が来て分娩台に乗ってからは2時間以内に生まれました。

 

でも、ここからが生き地獄でした。赤ちゃんを産み落とす少し前から頭痛がしてきて、産んだ直後から激痛でもがき苦しみました。初めての赤ちゃんもだっこできず、目も開けられないので見ることもできず、頭痛はひどくなるばかり。薬はまったく効かないし、気分が悪くて吐きまくって次の日の夕方まで苦しみました。

 

結局、退院まで頭痛が和らいだと思ったら、急に激痛になったりをくりかえしました。もう、何回吐いたかわかないぐらいきつかったです。退院を1日のばしてCTやMRIをとってもらったりしましたが、原因はわからないまま退院しました。赤ちゃんの泣き声が頭に響いてつらかったです。

 

退院1週間後には、また激痛で救急車で運ばれました。少し落ち着いたので帰ろうと会計していたら、今度は大出血で血の海状態になりました。卵膜が残っていたみたいでした。

 

この苦しい頭痛は、あちこち病院行った結果、偏頭痛じゃないかと言われました。合う薬もみつかり、産後2カ月すぎにやっと頭痛のない日を迎えることができました。本当につらかったです。出産の痛みなんて比べ物にならないぐらいの頭痛でした。出産って命懸けって思い知らされました。

すみちゃん さん

不妊治療をして43歳で出産しました。妊娠初期から出産するまでいろいろと具合が悪く、毎日点滴、体重8kg減。つわりがましになると、次は目が眩しくて外に出られずサングラス生活で、テレビもれられずラジオの毎日。この体調の悪さは出産までの我慢だ! と言い聞かせて生活してきました。


妊娠35週でおなかが急に痛くなって、まったく歩けなくなり、車椅子生活に。痛くて横になるのに3分程かかり、寝返りも声を張り上げ、「いてて、いてて」と涙を流しながら騒いでいました。そして、起きるのがまた一苦労。丸椅子に体重をのせて、半泣きでなんとか立ち上がる感じでした。

 

最終的に36週1日に帝王切開をして、無事出産できたのですが、次はまた違う苦しみが始まりました。母乳を出し始めたころから、一気にいろいろおかしくなり始めました。

 

まず、関節の節々が痛くなってきて、「風邪かな?」と思いましたが、違いました。そして、耳がおかしくなりました、周囲のいろいろな小さい音が、全部不快に聞こえてきて、子どもの泣き声もうるさくてうるさくて、発狂しそうなぐらいで一緒にいられませんでした。耳を右に向けると、自分自身の脈の音がドン、ドンと聞こえてきたり、冷蔵庫や周囲、近所のモーター音も全部聞こえてきて不快で不快で仕方ありませんでした。また、妊娠中期から目がとても眩しかったのですが、それも更に悪化してしまいました。全身のいろいろな箇所が痛いし、すべてが眩しく、子育ては一切できず自分が生き延びるということだけで、もういっぱいいっぱいになってしまいました。睡眠薬を飲んでもなかなか眠れませんでした。2週間程は実家にいましたが、子どもの泣き声や、実家でのいろいろな生活音が苦しくて、自宅に帰ることにしました。


次はこの症状をわかってくれる病院を探すのが大変でした。電車は眩しくて乗れませんでしたので、通院が大変でした。どこの病院に行っても、なかなかわかってくれるドクターと会えず、いつこの具合の悪さは終わるのだろうと、精神的にギリギリな日々でした。何だかわからないんですが、焦燥感も凄くて起きている時間が苦しかったです。食欲もなく、うつ病かなとも思いましたが、うつ病とは違うようでした。幻聴等はまったくありませんでした。いろいろなストレスでイライラや焦りも凄かったです。とにかく身体が全部悪いと言ったらいいのでしょうか、先はどうなっていくのだろうと、治るときが来るのか不安でした。


結局、7箇所ぐらい病院に行き、精神科も行ってみました。軽い睡眠薬や安定剤、漢方薬がしょほうされました。一番話が合ったのは更年期外来の先生でした。今も毎月ホルモン補充をして、それはかなり効きました。

 

今、体調は少し良くなったり、悪くなったりの連続で、一年目の夏はアイスノンを胸にあてないと苦しくて仕方がありませんでしたが、今年の夏はアイスノンをしなくても夏を過ごせました。


ずっと食事のデリバリーに頼っていたのですが、今年になり自分で少しづつ作れるときも増えてきました。耳もまだおかしくなりますが、やっと軽い日が増えました! 食欲も最近やっと普通な日が増えてきています。結局出産して一年半ほどですが、子どもの面倒も親に育ててもらうことになってしまいました。家が近いので毎日会いに行き、たいした世話はできませんでしたが、母と一緒に育てました。今後は徐々に日にちを決めて、私が引き取り育てるようになればいいなと思っているところです。


今回、高齢出産だからこうなったのかどうかはわかりませんが、できれば早めに産でおいたほうがよかったのかなぁと考えさせられたりします。難しいものですね。今までいろいろな怪我や病気もしてきてかなりつらいものもありましたが、今回ばかりは本当に生きるか死ぬかと言っていいような日々で、ほとほと疲れました。これから子育てを頑張らないとですが、私なりにできる範囲で気楽にやっていこうと思っています。

 紅緒 さん

4人目妊娠中です。1人目は5月生まれ。若かったせいもあり、そして赤ちゃんがビックリするくらい良く寝てくれたのでホントに体調がよかったです。2人目は6月生まれ。周りに頼って産後3週間大事にしていました。おっぱいは大変でしたが、体調良好でした。3人目は2月生まれ。本当に雪の多い寒い冬だったのでシャワー浴はキツかったです。産後1年間、体が冷えていた気がしました。産後すぐに2人目の子の卒園、入学があっていろいろ動いたのでめまいがしました。


動けてしまうので動いてしまいますが。産後はやはり3週間、しっかりと身体を休めたほうがいいです。4人目は夏に出産予定です。できるだけ無理して動かないようにゆっくり身体を休ませたいです。これからの家族のため、元気なお母さんでいるために産後は休ませてもらいます。

あけちママ さん

1人目の出産のときは産後の体調もそれほど悪くなかったのですが、2人目出産後は、まず後陣痛がひどく、しばらくは歩くのもやっとでした。年齢を重ねたこともあるんだとは思いますが、1人目出産後に比べて2人目のときは回復も時間がかかったように思います。また、赤ちゃんのお世話だけでよかった1人目出産時と違って上の子の面倒も見ないといけないという点も大きかったと思います。

あっちママ さん

産後の体調はとても悪かったです。乳腺がつまって退院しても病院に通い、薬を飲みました。また、寝不足がつらく、とてもイライラしていました。そんななか、夫や夫の親戚のことでひどく悩み、ごはんが食べられず、体重が減少してしまいました。ストレスのせいか、腱鞘炎や抜け毛もひどいように思います。イライラは今も続いています。出産後は本当に赤ちゃんのことだけに専念したほうがよいと思います。

そばかす さん

40歳での初産で、親が妊娠中からいろいろと心配してくれていました。それでも自然分娩で、陣痛7時間の比較的安産、入院中もたいしたトラブルはありませんでした。

 

ところが里帰り先の実家で退院3日目に弟夫婦がお祝いに来てくれたので相手をしていたら、特に動き回ったわけでもないのに翌日に大出血。ものすごく怖かったです。その2日後、今度は親戚がお祝いに来てくれた日、昼からだるいなぁと思っていたら夜中に突然、右のおっぱいがほんの数十秒でカチカチに。熱も出てしんどかったけれど、夜中だったので親も起こせず、痛むおっぱいで子どもの授乳もしながら早く朝になってほしいと思っていました。


その翌日の退院後1週間健診で乳腺炎だったとわかり、そのまま授乳を続けたことも正解だったと教えてもらったのでほっとしましたが、そのときはこのままおっぱいが出なくなったらどうしよう、カチカチになったおっぱいから母乳を飲ませてよかったのだろうかと心配しました。


決して年のせいだとは思いたくないですが、里帰りして間もなくで家事は一切してなかったのにこのザマです。これから出産するみなさん、状況によって難しい人もいるだろうとは思いますが、産後しばらくはできるだけ安静にしていましょうね。

きょん×2 さん

普段からとても丈夫な私。出産も余裕だろうと思っていました。実際、妊娠中もほとんどトラブルがなく、順調に臨月を迎え、いざ出産。陣痛から9時間ぐらいで生まれました。傷口がちょっとひどくて出血が多かったんですが、子宮の収縮も順調で、きっといつものようにあっさり回復するんだろうなぁと余裕をかましていました。


ちょうどそのころ、夫の仕事の都合で引っ越しがあり、家探しやその他手続きなど本当に忙しくて、産後も寝ている合間にパソコンをしたり、電話をしたりしていたところ……明日退院というときに39度越えの高熱!! 41度ぐらいまで上がり、私はいったいどうなるんだろうとフラフラの日が続きました。


幸い数日で熱も下がり退院できましたが、あのとき無理したのがいけなかったんだろうなぁと思います。産後ゆっくり休みなさいという昔からの教えは本当なのかもしれませんね。自分の過信を反省しました。

なおまじっく さん

二児の母です! 1人目は妊娠後期に大きくなったおなかが気になって眠れない日が続いていた上、出産に20時間くらいかかったので、産後ぐったりげっそりしてしまって、入院中すごくしんどかったです。

 

産後の入院って意外と忙しいんですよね。夜中は授乳などで寝てられないなかで、朝起きると検温や看護師さんの巡回、当然赤ちゃんのお世話もあるし。その合間に自分のごはんの時間やお祝い客の接待もあるし……。赤ちゃんを見に来てかわいがってくれるのはとってもありがたいのに、体はつらくて、悪いけど早く帰って~とさえ思ってしまい、自己嫌悪に陥ったりもしました。

 

そんなこんなで入院中に倒れちゃいました。楽しみにしてたお祝い膳も食べられなかったし、とにかく大変というイメージでした。


2人目は2時間で生まれたので体力的に余裕があり、育児も上の子に鍛えられていたので、幸せをかみしめる気持ちのゆとりがあって楽しめたし、倒れたり苦しくなったりもしませんでした♪


私は人に頼れない性格で、全部自分でやらないと気が済まないので苦しくなっちゃいましたが、ある程度周りを頼ることも必要な時期です。特に産後1カ月はまだ傷も痛むし、赤ちゃんが寝ているときは自分も寝て、寝ない子だったら預けて、精神的にも肉体的にもゆっくりのんびりしてください! が定期的にリフレッシュすることが、「ママとしての仕事」の1つだと思います。

ぽぽ さん

 

 

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