【助産師監修】バースプランとは?書き方やポイントを解説

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

なにかを書いている女性

 

バースプランをご存知ですか? バースプランとは、妊婦さんが希望するお産のイメージを書き記したものです。いざ出産となれば、なかなか自分の希望は伝えられないものです。自分が希望する出産のスタイルがある場合には出産前に整理して、パパや産院に伝えておきましょう。バースプランはママだけのものではありません。出産はパパや赤ちゃんのきょうだいなど、家族全員にかかわることですから、新しい命を迎える前にしっかりと計画しておきたいものですね。

 

 

バースプランとは?

バースプランとは、妊婦さんがイメージする出産の計画や出産を通しての要望を医師や助産師さんに伝える書類のことです。妊婦さん自身や家族が出産にどう臨んでいきたいかを明確にし、医療者と話し合いながら希望通りの出産ができるように計画を立てていきます。

 

産院によって方針が異なりますから、バースプランが決まっているのであれば、あらかじめ産院に問い合わせておくといいでしょう。思い描いているバースプランがすでにある方は、それが叶いそうな産院を選ぶというのも1つの方法です。
 

 

バースプランのメリット

バースプランを立てるメリットは、
1)妊婦さん自身が出産の主役になれる
2)前もって自分の希望を医療者に伝えられる
3)出産に関して家族と話し合いの場が持てる
4)出産に対するイメージが明確になり、不安が軽減する
5)医師や助産師さんと話し合うことで信頼関係が築ける
などがあげられます。

 

しかし、出産はいつ何が起こるかわかりません。やはり優先すべきはママと赤ちゃんの安全ですので、産院の方針ではないことがらや、万が一緊急の対応が必要となった場合には要望に添えないこともあります。
 

 

バースプランを作るタイミング

一般的にバースプランの書類はおおよそ妊娠30週ごろに配られ、正期産の直前である妊娠36週ごろまでに提出とするところが多いようです。ですので、十分な時間をかけて夫や家族と話し合い、助産師や医師とバースプランの内容を共有するだけの時間を持つことができるようになっています。

 

産院によって書類の配布時期や提出時期が異なるので、医師や助産師さんに話を聞いてみるとよいでしょう。

 

 

バースプランの内容

バースプランは、あらかじめ産院が用意してくれる質問用紙に記入する場合もあれば、助産師さんがバースプランについて聞き取り、カルテに記録を残しておくこともあります。また、産院によっては自由に要望を書くタイプのものもありますが、希望する項目を選択するタイプのものもあります。

 

実際にどのような項目が書かれているのか、バースプランの内容としてよく挙げられている項目の例をご紹介します。

 

●出産前
1)計画出産にしたい
2)無痛分娩にしたい
3)誘発分娩はおこないたくない
4)分娩前の剃毛(陰部の毛を剃ること)はしたくない
5)分娩前の浣腸はしたくない

 

●陣痛時
1)胎児心拍モニターの装着は必要最小限にしたい
2)効果的な陣痛がなければ陣痛促進剤を使ってもよい
3)陣痛促進剤は使いたくない
4)アロマセラピーを希望する
5)できるだけ自分の好みの体勢で過ごしたい
6)自分の好きな音楽を聴いて過ごしたい

 

●分娩中
1)立ち会い出産をしたい(立ち会い希望する家族は夫? 子ども? など)
2)出産の様子をビデオ撮影したい
3)導尿(尿道に管を入れて尿を出すこと)はしたくない
4)会陰切開はできるだけしたくない
5)吸引分娩や鉗子分娩はしたくない
6)好きな音楽をかけてリラックスしたい

 

●出産直後
1)夫にへその緒を切ってほしい
2)カンガルーケア(早期母子接触)をしたい
3)すぐに夫に抱っこさせたい
4)すぐに赤ちゃんにおっぱいを吸わせたい
5)胎盤を見たい

 

●産後
1)母子同室にしたい
2)日中だけ同室にしてほしい
3)完全母乳にしたい。母乳以外は与えたくない
4)夫や家族が一緒に泊まれるようにしたい
5)授乳指導を受けたい
6)沐浴指導を夫と一緒に受けたい

 

自由に書き込めるタイプの書類では、どのように書けば良いのか迷う方もいると思います。そんなときはまずご自分の希望を書き出してみましょう。したいこと、したくないことを明確に書くことが大切です。産院によって、希望に応えられることとそうでないことがあります。ですから、自分のバースプランができあがったら医師や助産師と話し合い、擦りあわせていきましょう。もし途中でバースプランを変更したいと思ったら、遠慮せずに医療者に伝えることが大切です。

 

 

まとめ

バースプランについてこれから考えたいと思っている方のなかには、どのような出産が良いのかまだ漠然としている方もいるのではないでしょうか。出産は人生の中でも大きなイベントですから、できればご自分の希望通りの出産をしたいものです。

 

また、バースプランをもとに医師や助産師、看護師とより良い信頼関係を築き、家族で新しい命について考える機会を持つことは、安心して出産を迎えられることにもつながると思います。

 

これから出産を迎えるにあたり、具体的なイメージを持つためにもバースプランを立ててみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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