上の子が下の子を叩くのが許せません
2歳2カ月の子と1歳になったばかりの子がいます。上の子は、何か気に入らないことがあると下の子を叩いたり、私を叩いたりします。私を叩くのはまだ我慢できますが、下の子を叩いたり、押し倒したりするのがどうしても我慢できません。そのときは、私も感情的になって上の子を叩いてしてしまうことが時々あります。子どもを叩くのは良くないとわかっています。叩けば私のまねをして、また下の子を叩くでしょう。悪循環なのはよくわかっているのですが、どうしても上の子が下の子を叩く行為を許すことができないのです。楽しく遊んでいても、上の子が下の子を叩くたびに嫌な気持ちになり、上の子をきつく叱ってしまいます。こんな自分が嫌で仕方ありません。こういうときにはどうしたらいいのでしょうか?
年子に近い年齢差のきょうだいは、お互いに良き喧嘩相手であり、友だちのようなものです。したがって、きょうだいの喧嘩は、あまり深刻に考えなくてもいいのです。ただし注意したいのは、今、上のお子さんは自我の主張がはっきりと出てくる年頃だということです。特に、おもちゃの取り合いの場面での喧嘩が多いのではありませんか? 2歳くらいの子は、自分の物に触られたり、取られたりするととても苛立ちます。しかも、自分は「ダメ!」と言葉で制しているのに、弟(妹)が理解できないので、手が出てしまうのでしょう。普段、上のお子さんには、「自分の物は自分の物、他人の物も自分の物」という一見わがままな行動がよく見られませんか? また、親のまねをすることが多くありませんか? これらは、「自分の中にすべてを取り入れたい」という欲求による行動です。「他人の物」を「自分の物」として取り入れることができ、それに満足したときに、初めて「他人に与える」という行動を始めることができます。これが「自立」の出発です。この自立を促すには、親が子どもの持っている物を「貸して」とか「くださいな」と言って遊びながら、与える喜びを表現させてあげることです。貸してくれたら、すかさず「ありがとう」と言ってなでてあげ、「うれしい」と素直に気持ちを伝え返すといいでしょう。上のお子さんが真剣に遊んでいるときに下のお子さんが邪魔をしたら、下のお子さんのほうを離すようにしましょう。そして、お母さんが上のお子さんと2人で向き合って、遊びながら自立を促す時間をつくることが大切です。