怒りを抑えて歯を食いしばって震えます
3歳の娘は、生後7カ月のきょうだいと遊んだり、世話をしてくれたりします。とはいえ、かわいがるときにはニコニコしながらも歯を食いしばって震えています。その後、下の子の手を荒く引っ張ったり、突き飛ばしたりすることもありますが、ほっぺたに顔を近づけたりして、イライラをごまかすようなしぐさも見せることもあります。娘が震えたり、イライラして見えるときにはすぐに抱きしめていますし、下の子を突き飛ばしたり噛んだりしたときには、やさしく注意して下の子を離し、娘と遊んで気をそらせています。娘は2歳半を過ぎたころから、気に入らないことがあると泣き叫び、歯をくいしばって「ギー」と言い、震えながら怒りを抑えようとする態度が増えました。そんな娘を見て、「大丈夫だろうか?」と不安になってしまいます。娘なりに怒りを抑えようと頑張っていると捉え、温かく見守っていくべきなのでしょうか? 実は私自身、怒りをためてしまうタイプで、怒りの気持ちを表現することが苦手です。ひとりでいるときに嫌なことを考えると、今の娘のように怒りで歯を食いしばり、震えてしまうときがあります。でも、娘にはじょうずに怒りを発散させる方法を学んでほしいのです。こんなとき、親はどう声かけをし、どう受け止めてあげればよいのでしょうか?
子どもは2歳半ごろには自我が芽生え、感情を表現するようになりますが、その方法は親から学びます。娘さんの場合も、お母さんの方法をそのまま取り入れているのでしょう。また、3歳ごろの子が赤ちゃんの面倒をみるのは難しいことです。運動や遊び方、食べ方、話し方を一生懸命に発達させる時期ですので、自分のことだけで精一杯なはずです。赤ちゃんの面倒を見るはお母さんが喜ぶためで、本当はもっと思い通りの1日を過ごしたいのだと思います。歯を食いしばって我慢しているときには、「我慢しているのね」「悔しいのかな?」「嫌なんだね」などと、子どもの気持ちを言葉で伝えてください。そして、「嫌だったら『嫌だ!』と言っても大丈夫だからね」と教えてあげましょう。ところで、4月から幼稚園に入園されますか? そうでなければ、昼間はできるだけ子育て支援センターなどに連れて行き、同年齢の子どもたちと遊ぶ機会を持つことをおすすめします。そのときには、赤ちゃんとお母さんも一緒に遊びに入ると喜ぶでしょう。また、お母さん自身、どのように自分の感情を表現すればいいのか迷っているようですね。それなら、まず「嫌なこと」を言葉で伝える練習をしましょう。子育て中の心はいつも平静でいられるわけではなく、怒ったりイライラすることだってあります。「理想のお母さん像」と「本来の気持ち」とは必ずしも一致しないかもしれませんが、そうした場合は、「本来の気持ち」のほうに素直になってください。つまり、「怒らない理想的なお母さん」になるのではなく、「それは嫌!」と怒りを表現していいのです。とはいえ、ずっと怒りを抑えていた人が急にそれを表出すると、感情のコントロールが効かなくなって、怒り過ぎてしまうことがあります。そのような危険を感じたときには、子育て支援センターのスタッフや保健センターの保健師に気持ちを受け止めてもらい、アドバイスをもらいながら進めていくとよいと思います。