MENU
【学資保険】人気11社を徹底比較!キャンペーン情報あり

夫婦の老後資産はいくらあれば安心?持ち家と賃貸の目安と必要な金額の計算方法

「老後の生活、お金はいくらあれば安心できるんだろう…」

夫婦でセカンドライフについて考え始めるとき、誰もが抱くこの疑問。旅行や趣味を楽しみながら、ゆとりある毎日を送りたいと願う一方で、漠然としたお金の不安がつきまといます。

巷では「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、本当にその金額で十分なのでしょうか。持ち家か賃貸か、年金はいくらもらえるのか、どのような生活を送りたいのかによって、「安心できる金額」は夫婦それぞれで大きく異なります。

この記事では、夫婦で豊かな老後を送りたいと願う方々に向けて、安心できる老後資金の目安を具体的なケースごとに解説します。さらに、ご自身の家庭に合った必要額を計算するシミュレーション方法や、資産額別のリアルな生活レベル、そして65歳までに目標額を達成するための資産形成のヒントまで、網羅的にご紹介します。

この記事を読めば、漠然とした不安が具体的な目標に変わり、夫婦で未来に向けた一歩を踏み出すきっかけになるはずです。


目次

老後資金は夫婦2人でいくらあれば安心できる?

まずは、一般的なデータから「安心できる老後資金」の目安を探ってみましょう。ここでは「持ち家あり・厚生年金受給」の夫婦をモデルケースとして考えます。

安心できる目安は2,500万円

総務省の家計調査報告(2023年)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な支出は月額約25万円です。一方、社会保障給付(主に公的年金)などの収入の平均は約22万円。つまり、毎月約3万円の赤字が出ている計算になります。

仮に、65歳から95歳までの30年間を老後生活とすると、不足する生活費の総額は以下のようになります。

3万円 × 12カ月 × 30年 = 1,080万円

ただ、これはあくまで最低限の生活費の不足分です。安心して暮らすためには、これに加えて予期せぬ出費に備える「予備費」が必要です。

  • 介護費用
  • 医療費の自己負担増
  • 自宅のリフォーム費用
  • 車の買い替え
  • 旅行や趣味などの娯楽費

これらの費用を考慮すると、生活費の不足分1,080万円にプラス1,500万円程度の予備費があると、心にゆとりが生まれます。合計すると約2,500万円。これが、平均的な年金を受け取る夫婦が、持ち家で暮らす場合に「ひとまず安心できる」老後資金の目安と言えるでしょう。

持ち家でなく賃貸なら家賃分を上乗せする

上記の2,500万円という金額は、住居費の負担が少ない持ち家であることが前提です。もし老後も賃貸住宅に住み続ける場合は、この金額に30年分の家賃総額を上乗せする必要があります。

例えば、家賃8万円の物件に住み続けると仮定しましょう。

8万円 × 12カ月 × 30年 = 2,880万円

この場合、生活費の不足分と予備費に加えて約2,900万円が必要となり、合計で5,000万円以上の資金を見込んでおくと安心です。

もちろん、老後は夫婦二人で少し小さな家に引っ越す、あるいは家賃の安い郊外に移り住むなどのプランがあれば、その金額で計算し直すことができます。いずれにせよ、賃貸の場合は家賃が老後資金を大きく左右する要素になることを覚えておきましょう。

国民年金ならさらに3,600万円の上乗せが必要

もう一つ注意したいのが、年金の種類です。先ほどのモデルケースは、夫婦またはどちらかが会社員や公務員で、厚生年金を受け取ることを前提としています。

もし夫婦ともに自営業などで国民年金(基礎年金)のみの受給となる場合、受け取れる年金額は大きく変わります。

令和7年度の国民年金の満額(40年間保険料を納付した場合)は、1人あたり月額約6万9千円。夫婦2人合わせても約13万8千円です。厚生年金受給世帯の平均収入(約22万円)と比較すると、毎月約8万円以上の差が生まれます。

この差額が30年間続くとどうなるでしょうか。

8万円 × 12カ月 × 30年 = 2,880万円

実際には、平均支出(約25万円)との差額は毎月11万円以上になるため、30年間で不足する生活費は約4,000万円にのぼります。これに予備費を加えると、5,500万円~6,000万円ほどの準備が必要になる計算です。

このように、年金の種類によって、準備すべき老後資金の額は数千万円単位で変わってくるのです。


安心できる老後資金は家庭によって違う

ここまで一般的な目安となる金額を見てきましたが、当然ながら「安心できる老後資金」に万人に共通する正解はありません

  • 現役時代の収入やライフスタイル
  • 退職金の有無や金額
  • 年金の受給見込額
  • 趣味や旅行にかけたいお金
  • 子どもや孫への援助の考え方

これらの要素は、家庭によって全く異なります。「年に一度は海外旅行に行きたい」と考える夫婦と、「家庭菜園を楽しみながら静かに暮らしたい」と考える夫婦では、当然ながら必要な金額も変わってきます。

大切なのは、平均的なデータに一喜一憂するのではなく、「自分たち夫婦にとっての安心できる老後」を具体的にイメージし、必要な金額を自分たちで計算してみることです。


安心できる老後資金の額をシミュレーションする方法

では、具体的にどのように計算すれば、自分たち夫婦に必要な老後資金を把握できるのでしょうか。以下のステップに沿って、一つずつ確認していきましょう。

1. 老後の生活費を把握する

まずは、老後の「支出」がどれくらいになるかを見積もります。「安心できる生活」とは、多くの場合「今と大きく変わらない生活レベル」を指します。そのため、現在の生活費をベースに考えるのが最も確実です。

家計簿アプリや通帳、クレジットカードの明細などをもとに、現在の夫婦2人の1カ月の生活費を洗い出してみましょう。

<老後に変動する可能性のある支出項目>

  • 減る可能性のある支出
    • 住宅ローン(完済していれば)
    • 子どもの教育費
    • 生命保険料(保障を見直せば)
    • 仕事関係の交際費や被服費
  • 増える可能性のある支出
    • 医療費、介護費
    • 趣味や旅行などの娯楽費
    • 夫婦での交際費

老後は食費や娯楽費が減る傾向もありますが、物価上昇のリスクも考慮すると、まずは現在の生活費をそのまま老後の生活費として計算するのが安心です。

2. 年金額を試算する

次に、老後の「収入」の柱となる公的年金の受給額を把握します。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や、日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」で、将来の年金受給見込額を確認することができます。

「ねんきんネット」では、今後の働き方などを入力して、より詳細なシミュレーションも可能です。夫婦それぞれの受給見込額を合算し、老後の毎月の収入をできるだけ正確に把握しておきましょう。

3. 医療費を計算する

公的医療保険があるため、医療費の自己負担は1〜3割に抑えられます。しかし、年齢を重ねるにつれて通院や入院の機会は増える傾向にあります。また、先進医療や差額ベッド代など、保険適用外の費用は全額自己負担となります。

生命保険文化センターの調査によると、65歳以上の入院時の自己負担費用は平均で約48万円というデータもあります。夫婦2人分、そして複数回の入院や長期の通院も考慮すると、生活費とは別に300万円〜500万円程度の医療費を準備しておくと、いざという時に治療の選択肢が広がり安心です。

4. 介護費用も計算に入れる

誰もが健康で自立した老後を送りたいと願いますが、介護が必要になる可能性も考えておく必要があります。

生命保険文化センターの調査では、介護にかかった一時的な費用の合計は平均74万円月々の費用は平均8.3万円とされています。また、平均介護期間は約5年(61.1カ月)です。

(月額8.3万円 × 61.1カ月) + 一時費用74万円 ≒ 581万円

これは1人あたりの平均額なので、夫婦2人分と考えると1,000万円程度を見込んでおくと、より安心感が増すでしょう。在宅介護か施設介護かによっても費用は大きく変わるため、どのような介護を望むかを夫婦で話し合っておくことも大切です。

5. 持ち家ならリフォーム費用も必要

持ち家の場合、経年劣化による修繕は避けられません。特に築20年を過ぎると、水回りや外壁など、まとまった費用がかかるリフォームが必要になることがあります。また、老後の暮らしやすさを考えて、バリアフリー化を検討することもあるでしょう。

<リフォーム費用の目安>

  • 外壁・屋根の塗装・修繕: 100万円~200万円
  • キッチン・浴室・トイレなど水回り一式: 150万円~300万円
  • 手すりの設置や段差解消などのバリアフリー化: 50万円~200万円

すべてを一度に行うわけではありませんが、老後30年の間に300万円~500万円程度のリフォーム費用がかかる可能性を見込んでおくと安心です。

6. 子供や孫へのお金も準備しよう

これは必須ではありませんが、「ゆとり」や「安心」につながる大切な要素です。子どもの結婚や住宅購入の援助、孫の入学祝いなど、家族のライフイベントを応援したいと考えているなら、その分のお金も準備しておきましょう。

「誰に」「いつ」「いくらくらい」援助したいかを具体的にリストアップし、必要な総額を計算しておくと、計画が立てやすくなります。

7. 葬儀代も用意できればさらに安心

自身の最期に備えておくことも、遺される家族への大きな配慮となり、ひいては自分自身の安心につながります。葬儀費用は形式や規模によって様々ですが、1人あたり200万円程度がひとつの目安とされています。

夫婦2人分で400万円を準備しておけば、家族に金銭的な負担をかけることなく、自分たちらしいお別れの形を選ぶことができるでしょう。


資産別:夫婦2人の老後の生活レベル

では、準備できた老後資産の額によって、どのような生活が送れるのでしょうか。ここでは、持ち家・厚生年金受給の夫婦をモデルに、資産額別の生活レベルのイメージをご紹介します。

老後資産3,000万円の場合

平均的な生活を送る上で、十分に安心できる資産額です。毎月の赤字を補填し、計画的な範囲で国内旅行や趣味を楽しむことができます。贅沢はできませんが、日々の暮らしに困ることはなく、精神的なゆとりを持って生活できるでしょう。ただし、想定外の高額な医療費や長期の介護が必要になった場合、少し不安が残るかもしれません。

老後資産5,000万円の場合

ゆとりある豊かな老後生活が視野に入ります。年に1〜2回の国内旅行や、少し豪華な外食、趣味や習い事にも積極的にお金を使うことができます。予期せぬ出費にも十分対応できるため、お金の心配をすることなく、やりたいことに挑戦できるでしょう。車の買い替えや、ある程度のリフォームも安心して行えます。

老後資産7,000万円の場合

かなり裕福で自由な老後を送ることができるレベルです。毎年のように海外旅行へ出かけたり、好きなものにお金をかけたりと、現役時代以上にアクティブな毎日を楽しめます。高額な医療や質の高い介護サービスも、ためらうことなく選択できるでしょう。資産を切り崩すペースを気にすることなく、悠々自適なセカンドライフを送ることが可能です。

老後資産1億円の場合

経済的な心配はほぼ皆無と言えるでしょう。理想のライフスタイルを追求でき、都心のマンションへの移住や、本格的な趣味への没頭、資産を活かした社会貢献なども選択肢に入ります。子どもや孫への生前贈与や資金援助も十分に行うことができ、家族全員に安心と豊かさをもたらすことができる資産レベルです。


65歳までに十分な資産形成をする方法

シミュレーションの結果、目標額に届きそうにないと不安になった方もいるかもしれません。しかし、今から計画的に準備を始めれば、決して手遅れではありません。ここでは、65歳までに効率よく資産を形成するための具体的な方法をご紹介します。

1. 家計を見直し、先取り貯蓄を徹底する

まずは基本となる支出の管理から始めましょう。特に、毎月自動的に引き落とされる「固定費(通信費、保険料、サブスクリプションサービスなど)」を見直すのが効果的です。削減できた分を、給与が入ったらすぐに別の口座に移す「先取り貯蓄」の仕組みを作れば、着実にお金を貯めることができます。

2. できるだけ長く働く

健康で働く意欲があれば、65歳以降も働き続けることを検討してみましょう。収入が増えるだけでなく、社会とのつながりを持ち続けることは、生活にハリを与えてくれます。また、年金の受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選択すれば、1カ月あたり0.7%ずつ年金額を増やすことができ、生涯にわたって増額された年金を受け取ることが可能です。

3. 税制優遇制度を最大限に活用する

国が個人の資産形成を後押しするために用意している、お得な制度を使わない手はありません。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):
    掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。また、運用で得た利益も非課税になるなど、税制上のメリットが非常に大きい制度です。原則60歳まで引き出せないため、着実に老後資金を準備できます。
  • NISA(少額投資非課E制度):
    2024年から新NISAが始まり、年間投資枠が大幅に拡大され、制度も恒久化されました。NISA口座内で得た運用益が非課税になるのが最大のメリットです。iDeCoと違っていつでも引き出しが可能なので、住宅のリフォームなど、老後資金以外の目的にも柔軟に対応できます。

4. 長期・積立・分散で資産運用を始める

預貯金だけでは、低金利の現在、お金を大きく増やすことは困難です。インフレで資産価値が目減りするリスクもあります。そこで重要になるのが、投資信託などを活用した「資産運用」です。

大切なのは「長期・積立・分散」という基本原則を守ること。

  • 長期: 10年、20年という長い時間をかけて、複利の効果を味方につける。
  • 積立: 毎月コツコツと一定額を買い続けることで、購入価格を平準化し、高値掴みのリスクを抑える(ドルコスト平均法)。
  • 分散: 投資先の国や資産(株式、債券など)を分けることで、特定の市場が暴落した際のリスクを低減する。

まずは少額からでも、NISAやiDeCoを活用して資産運用を始めてみることが、豊かな老後への大きな一歩となります。


まとめ

夫婦で迎える老後。その日々を心から安心して楽しむためには、やはりお金の準備が欠かせません。

この記事では、老後資金の一般的な目安として「持ち家なら2,500万円、賃貸なら5,000万円以上」という数字をご紹介しましたが、これはあくまでスタートラインです。本当の安心は、平均値に合わせることではなく、「自分たち夫婦の価値観やライフプランに合った必要額を知り、それに向かって計画的に準備を進めること」で手に入ります。

ぜひ、この記事をきっかけに、夫婦で将来についてじっくりと話し合ってみてください。そして、まずは自分たちの老後に必要な資金額をシミュレーションすることから始めてみましょう。目標が明確になれば、やるべきことも見えてくるはずです。未来の安心のために、今日から一歩を踏み出しましょう。










  • URLをコピーしました!











目次