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「嫁が全部やるのが当たり前?」義父母の供養であらわになった夫と義妹の非常識さ【体験談】

2025年、義父の十七回忌と義母の十三回忌が重なり、長男で墓守役の夫が年忌法要を営むことになりました。田舎出身の私は幼いころから墓参りや墓掃除が年中行事の1つとしてありましたが、都会育ちで義父が亡くなるまで菩提寺(ぼだいじ:先祖の供養や墓を守ってくれているお寺のこと)に行ったことさえなかった夫や義妹たちは、お寺やお墓に対して無知・無関心で考え方も淡白。その言動にはたびたび驚かされてきました。

 

菩提寺の一切合切を嫁に丸投げしてきた夫

16年前に義父が亡くなってから、数年間は義母が菩提寺とのお付き合いを担っていましたが、12年前に義母が亡くなると、その役割は長男である夫に引き継がれました。しかし、義父の四十九日と一周忌・三回忌にしかお寺に行ったことがなく、すべて義母に任せきりだった夫は無知で無関心。仕方なく義母の四十九日以降10年余り、お寺に関わることは私がすべて引き受けてきました。

 

幸い、都会の法要は身内だけの質素なものでしたが、お寺に渡すお布施や卒塔婆(そとうば:先祖や故人の供養のために建てる細長い木の板)料・御膳料、供物や供花にかかる費用が10万円近くなることを夫に話すと「そんな大金ないよ」と夫に断られ、なぜか嫁である私が家計とは別の自分の蓄えから負担するという状況が続いていました。

 

菩提寺では、春と秋のお彼岸にも30世帯ほどの檀家が集まり法要をします。義母が亡くなって最初のお彼岸には義妹たちも来てくれましたが、その次からはやんわり断られ、私たち家族だけが出席するようになりました。義母の残したノートには、お彼岸の法要にもお布施や卒塔婆料をお寺に渡すとあり、供物や供花も合わせると軽く1万円は超えます。これも10年以上、私が出すのが当たり前になっていました。

 

お墓参りの常識を知らない義妹たち

義父母の年忌法要の際には、義妹2人にも声をかけます。姉は独身ですが、妹は結婚しているので義弟にも来てもらいます。ところが、義母が存命中は費用からお花まで全部用意してくれていたせいか、四十九日も一周忌も手ぶらでやってくる2人。先にお寺に着いても「お線香も花もないから……」と手持ち無沙汰にしていて、そのときさすがに「花くらい買ってくればよかった」と気付いたようです。以降、私も「ご両親のお墓参りだから、お線香と花はそれぞれ用意してきてね」と伝えるようにしました。

 

しかし、身内の集まりという認識は変わらないようで、お香典は用意してきません。お墓を引き継ぐ管理料として夫が義妹たちより多く財産分与されたわけでもなく、なんならわが家は夫ではなく私が成り行きでお寺やお墓の費用を負担しています。それなのに、義妹たちは香典も包まず法要に来て、終われば食事をごちそうになり、引き出物をもらって帰っていきます。

 

驚いたのは、義母の七回忌の食事会で「次はお父さんの十三回忌だね」「6年後にはお母さんの十三回忌とお父さんの十七回忌が重なるね」と話を振ると「もう大変だから、やらなくてもいいんじゃない?」と義妹たちが口々に言ったことです。私は耳を疑いました。

 

昔のように五十回忌や三十三回忌までは不要だとしても、故人をしのんでせめて十三回忌か十七回忌くらいまではするべきだと私は考えています。義妹たちが来なくとも、うちでは義父母の命日と盆暮れ両彼岸にはお墓参りします。義父の十三回忌はコロナ禍だったこともあり、義妹たちを呼ばずに法要を営みました。義妹たちにとって一区切りが必要なら、義父の十七回忌を迎えるタイミングが最適では? と考えた私は、「うちではお墓参りを続けるけれど、気持ち的にはこれで弔い上げに。集まって法要をするのもこれを区切りに」と提案しました。

 

 

初めて夫が法要の費用を負担することに

実子3人が3人ともこんな具合なので、私もいつしかお墓に対する嫌悪感が募っていきました。このままいけば、いずれ私もこのお墓に入るのでしょう。しかし、夫や義妹たちはわれ関せずで、私1人が気をもんでいるのはいかがなものかと思うようになりました。

 

友人知人に相談してみると、皆口をそろえて「それはご主人が支払うべき」「義妹たちもお香典を包むのが当たり前」「実子3人が負担し合うことであって、あなたが払ってきたお寺の費用はさかのぼって請求してもいいくらい」と言うのです。

 

これを聞いてわれに返った私は、今回の年忌法要にかかる費用を書き出し、夫に渡しました。夫は相変わらず「こんなにかかるの? そんなお金ないよ」と逃げようとしましたが、私は友人知人に言われた通り「嫁ぎ先のお寺やお墓にかかる費用を、嫁が全額負担しているのは非常識らしいよ」と伝えました。こうして、今回初めて夫のお金で義父母の年忌法要をおこないました。

 

まとめ

「何かおかしい」と感じながらも、これまで私がお寺のことを率先してきたのは「将来息子が引き継ぐまでは、お寺と良い関係を築いておきたい」という思いがあったからです。しかし、26歳になった息子は「お墓を引き継ぐつもりはない」と言い放ちました。もともとはとても信心深かった息子ですが、父親へのさまざまな不信感がそう言わせたようです。それならば、私も無理を続ける必要はなし。本来墓守をすべき人にお役目を返そうと決意し、お寺のことは夫に一任。この秋のお彼岸も夫にすべて委ねました。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:あらた繭子/50代女性。1999年生まれの息子と2005年生まれの娘をもつフリーライター。長年にわたる無茶な仕事ぶりがたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。目下の癒やしは休日のガーデニングと深夜のKPOP動画視聴。

イラスト/マメ美

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)

 

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