私は31歳で結婚し、すぐに妊活を始めましたが、なかなか授かることができませんでした。内診や血液検査、卵管造影検査、夫の精液検査など一通りしましたが、大きな問題は見つからず。それなのに、人工授精を3回しても妊娠できなかったのです。でも不妊鍼灸に通いながら、もう少ししたら体外受精を検討しようと思っていた矢先に自然妊娠! 通院もお休みしていたときでした。2年半の妊活で何度もくじけそうになりましたが、妊娠に至るまでどのようにモチベーションを保っていたのかをご紹介していきます。
不妊を受け入れる
妊活で1番つらかったのは最初の1年でした。夫がタイミングを取ることに非協力的だったことと、周りの人は妊娠しているのに自分だけができないということが原因です。毎月「妊娠したかも」と期待して、生理が来るたびに絶望しました。出口の見えないトンネルにひとりで迷い込んだような孤独感でした。
今月こそは抜け出せるかもしれない。不妊じゃないかもしれない。最初はそんな思いでした。しかし、妊活を始めて1年経ったころこれではダメだと思い立ち「これは不妊だ」「妊活はあと何年か続くかもしれない」……そう思い直し、覚悟を決めたのです。ここが私の妊活の本当の始まりだったように思います。
本当に子どもが欲しいかどうかは考えない
なかなか妊娠できないと、何度も直面するのが「本当に子どもが欲しいのか?」という根本的な問題です。私の場合、そもそも子どもと接した経験がなく、「子ども好き」とはとても言えませんでした。子どもが欲しいのに子どもが好きではない不安。それに加え、妊活することで生まれる夫婦間の温度差にも苦しみました。
「そこまでして子どもが欲しいのか?」と、生理が来るたびに突きつけられました。でも私はこの問題に「産んでみないとわからない」と結論を出し、それ以降はもう考えないようにしたのです。
SNSでの妊活仲間との交流
妊活に行き詰まったとき、妊活をしている人たちが発信するブログに行き着きました。妊娠・出産は夫婦の共同作業ですが、私は妊活中に唯一の同志であるはずの夫と分かち合えないことが山のようにあり悩んでいました。
しかし妊活ブログと出会って、自分と同じ悩みを抱えた女性がこんなにたくさんいるという事実に、心の底から救われたのです。共感されたい欲求が一気に満たされ、私の中の妊活は「孤独な戦い」から「みんなも頑張っているもの」に変化しました。そして自分も、いつか同じ経験をする人の救いになればと思い、ブログを始めることにしたのです。
高度不妊治療を視野に入れる
私の場合は結局、自然妊娠だったのでそう言えるのかもしれませんが、高度不妊治療という選択肢があることで妊活のモチベーションを保つことができました。そして、そこを目指して走っている感じもありました。
もちろん体外受精をしたからと言って必ずうまくいくわけではありません。でも、まだできることが残されているという希望が必要だったのです。そして、迷い悩む妊活の中で、体外受精をおこなう前に自分ができることを進めていると、なんだか見通しが立っているような安心感がありました。
妊活中は、「妊娠・出産をすれば子育ての日々が始まる」と「もしかしたら一生子どもに恵まれないかもしれない」という両極端な思いのなかで過ごします。妊活ブログでは、子どもを持つことをあきらめた人にも出会いました。反対に、何年も不妊治療をしてやっと授かった人もたくさんいます。当時の自分の記録を読み返すと、今でも苦しくなります。後悔が残らないようにすることが、妊活では一番大切だと感じました。
著者:ひらたかおる
二児の母。趣味はメルカリと写真。自分の備忘録と、いつか誰かの役に立つことを願って妊活中からブログを続けている。2018年から、自身の妊活や子育てでの経験をさらに活かすべくライターとして活動している。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。