政府の発表により、8月15日17時をもって「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」による特別な注意の呼びかけが終了しました。しかし、大規模地震の発生の可能性がなくなったわけではありません。気象庁は引き続き、「日頃からの地震への備え」を実施するよう呼びかけています。
地震発生時、大切なわが子を守るため、慌てず適切な対応をとれるように知っておきたいことをまとめました。
今回は、災害時の料理法や食器がないときのライフハックなどに関する情報をご紹介します。
食中毒をおこさないために
手洗いは必須
食中毒予防の基本は、手洗いです。流水が使える場合は、こまめにせっけんを使って手を洗いましょう(特に、トイレ後、調理前、食前)。水が使えない場合は、ウエットティッシュで汚れを拭き取り、アルコール手指用消毒液を使いましょう。指先や親指の付け根などは汚れが残りやすいので注意しましょう。
食事をするときに気をつけたいこと
●食べる前に色や臭いを確認して、異常がないか確認しましょう。
●賞味・消費期限や容器・包装に破損がないか注意しましょう。
●避難所で出された食事は、できるだけ早く食べましょう。長時間、常温で放置していると、食中毒のリスクが高まります。
●一度開封したものは保存せずにその場で食べましょう。どうしても食べきれないときは、思い切って捨てましょう。
パッククッキングをやってみよう
パッククッキングとは、ポリ袋に食材と調味料を入れ、鍋など沸かしたお湯で加熱する調理方法です。災害時には、ひとつの鍋で同時に複数の料理が作れて、なおかつお湯は再利用できるというメリットがあります。直接袋から食べることで食器も使わずにすみます。味付けや柔らかさの調整もしやすいため、離乳食を作ることもできます。
【用意するもの】
・ポリ袋
☆半透明のシャカシャカしている袋(高密度ポリエチレン)
☆食品包装用でマチがなく、耐熱温度130度程度の物
・深めの鍋、または電気ポット
・水
【調理の手順】
1.ポリ袋に材料と調味料を入れ、袋の上から揉んで混ぜ合わせます。
2.水圧を利用して、ポリ袋の空気を抜きます。
3.上のほうで口をしばり、材料を平たくします。
4.お湯を沸騰させたあと、弱火にしてポリ袋を入れます*。
※鍋の場合は、鍋底に皿やシリコン製の落とし蓋など置きましょう。袋をしっかり鍋の中に入れて、吹きこぼれ防止のため蓋はしません。ポットの場合は、一度沸騰させたあと保温の状態になったら袋を入れましょう。
【ご飯を炊いてみよう】
材料(1人分)
・無洗米60g(ペットボトルキャップ8杯分)
・水90ml(ペットボトルキャップ12杯分)
作り方
1.ポリ袋に米と水を入れて、1時間浸水させます。
2.鍋またはポット(98度設定)に入れ、約25分加温します。
3.湯から取り出し、10分蒸らします。
【さばと大根の味噌煮を作ってみよう】
材料(1人分)
・さばの味噌煮缶80g
・だいこん50g(中央部分なら2cmの輪切りの1/2、先端に近い部分なら3~6cmの輪切りの1/2)
・しょうが1g(ひとつまみ程度)
作り方
1.だいこんを1cm幅のいちょう切り、しょうがをせん切りにします。
2.ポリ袋にさばの味噌煮缶の中身とだいこんを入れ、約20分加温します。
3.湯から取り出し、しょうがをのせます。
食器がないときのライフハック
■ペットボトルや牛乳パック、新聞紙などを活用
ペットボトルや牛乳パックを切って、お皿の代わりにできます。食べ物を入れる前にラップを敷いておけば、洗い物が少なくてすみます。
▶︎左)新聞紙などで器を作り、上からビニール袋をかぶせた器 右)牛乳パックの側面を切ってスプーンに
▶︎左)ペットボトルを半分に切ればコップ代わりに 右)四角いペットボトルを切ってお皿代わりに
手指を清潔に保つことで、食中毒以外の感染予防にもつながります。もう一度正しい手洗いの方法を確認しておきましょう。また、日頃の防災対策の1つとして、被災時の調理方法を実際に試してみるのもいいかもしれませんね。
災害時に役立つ情報をご紹介させていただきました。非常時の備えをしっかりしておき、少しでも安心して過ごせると良いですね。