次男をかわいがるやさしい長男
わが家は長男が3歳のときに、次男が生まれました。下の子が生まれると、上の子は赤ちゃん返りすることがあると聞いていたので、長男もそうなるかもしれないと私は心配していました。しかし、実際に次男が生まれると、長男は次男をあやしたり、次男を寝かしつけたりするなど、とてもかわいがっているように見えたのです。
長男に赤ちゃん返りは見られませんでしたが、私はなるべく長男を優先するように心がけました。そのおかげもあってか、しばらくは平穏な日々が続きました。ところが、長男が4歳、次男が1歳を過ぎて2人で一緒に遊べるようになってくると、状況が少し変わってきたのです。
長男が次男を泣かすことが増える
長男が電車遊びしていると、次男が長男の作った電車のレールを壊すことがよくありました。すると、長男は次男に対して怒るように。私はなるべく間に入って「次男がおもちゃを使いたいみたいだから、少し貸してあげようか」と伝えましたが、今思うと長男に我慢させることが多かった気がします。
長男と次男が揉めて次男が泣くということが毎日続きました。子どもがけんかすることは仕方がないとわかってはいても、泣かされるのはどうしても次男のほう。次男が泣かされるたびに私は、どうして長男は次男にやさしくできないの!? と、長男に対して苛立ちを抑えられず、長男をきつく𠮟ることが増えていきました。
ママ友からのひと言
次男のお友だち数人と、そのママたちと集まって遊ぶ機会がありました。子どものなかでは、長男だけが年上だったので、自分より小さい子たちを泣かせないかと私は少し心配していました。しかし、長男は自分の好きなおもちゃの遊び方を教えて、小さいお友だちとも楽しく過ごせたのです。
すると、1人のママ友が「お兄ちゃんやさしいね」と言いました。私は「家では次男を泣かせてばかりで困っているのよ」と返すと、「そうなの? うちの子すっかりお兄ちゃんになついているよ。さすが、普段から弟の面倒を見ているだけあるね」と、そのママ友が言ってくれたのです。何気ないひと言だったのですが、その言葉に私はハッとさせられました。
ママ友のひと言で思い直したこと
私は長男の良いところを見ようとしていなかったことに気がつきました。思い返せば、長男はお風呂で次男を洗ってくれたり、次男が泣いていると次男を抱っこして私の元へ連れてきて「次男、泣いてるよ」と教えてくれたり、たまにではありますが、弟をやさしく面倒みてくれることもあったのです。私ももちろんわかってはいたのですが、お兄ちゃんなんだからもっと弟にやさしくしてあげて、もっと面倒をみてあげてと、長男に要求ばかりしていたように思います。
長男が次男にしてくれたことを認めてあげるべきだったと反省しました。それからは長男が次男にやさしく接してくれたら、私は必ずお礼を言うように。長男が次男にしてくれたことを私も心にきちんととどめることで、以前のように長男をきつく叱ることがなくなっていきました。
ママ友が長男を褒めてくれたおかげで、私は長男にやさしい心が育っていることを実感し、それまでの自分のおこないを反省しました。私の代わりに長男を褒めてくれたママ友にはとても感謝しています。
著者:小林睦/女性・主婦。9歳と6歳の息子、4歳の娘の母。わんぱくな3兄妹の育児体験を元に記事を執筆中。
イラスト:ちひろ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています