1歳過ぎて覚えた違和感
息子は運動面での発達に問題はなかったのですが、言葉の遅れがとても気になっていました。家族やママ友に相談しても、「男の子は遅いから、気にしなくて大丈夫!」という返事ばかり。ただ、息子が1歳3カ月になり保育園へ通い始め、言葉の面や仕草などに「他の子と何か違うな?」と感じることが多くなりました。
他の子が先生を見て「バイバイ!」と言っているのに対し、息子はどこか別の方向を見て、「バイバイ!」と手を振っているのです。最初はたまたまだと思いましたが、見ていると、ほぼ毎回同じようにしていました。他の園児のママが息子に声をかけてくれても、私の息子がそのママを見ることはありませんでした。
発達の遅れを認めない夫との衝突
最初に「発達障害かもしれない……」と感じたときに、夫に何度も相談しました。しかし、夫は「まさか、そんなわけないじゃん」と気にする様子もありませんでした。
それでも私がしつこく検査をしに行ってみようと言うと、「うちは家庭内で2つの言語を話しているから、息子も混乱して言葉が出ないんだ! 発達障害ではない!」と言うのです。私からいくら話しても、夫は聞く耳を持たないと思ったので、保育園の先生へ相談することにしました。
先生の協力もあり、無事に検査することへ
はじめに保育園の先生に相談したときは、先生も「元気過ぎるだけで、特に問題はなし」というものでした。しかし、その数カ月後、主任の先生から「確かに心配な点がいくつかあります」という話が。そして、先生は、病院の資料などを準備してくれていました。しかし、夫にその資料を見せても反応はなし。それからも夫婦での話し合いは平行線で、資料をもらってから、すでに半年近く経ってしまいました。
私には夫を説得することができないと思い、保育園の先生から夫に何度も電話をかけてもらい、「療育は早い方が良い場合があります。すべてはお子さんの将来のために」と説得してくれたのです。そして、やっと夫も折れて、病院で検査することに同意してくれました。
診断の結果と台湾での療育
検査を受けた結果、息子は「発達障害の疑い」との診断が下りました。検査の結果を聞いて私が感じたのは、「やっと息子に治療を受けさせてあげられる」ということでした。ホッとした気持ちになったのを今でも覚えています。
また、台湾では療育を始めるのに数カ月かかると言われたので、もっと早く、発達に違和感を覚えた時点で検査を受けさせていれば……と、後悔の気持ちも押し寄せてきました。しかし、運よく検査の翌週から療育に通えることになったのです。現在、療育を始めて1年経ちます。今でも言葉はまだ遅いですが、確実に成長してきていると感じています。
海外に住んでいるということもあり、息子の発達へ違和感を持ったとき、とても不安でした。私の中国語が完璧ではない中で、「どうやって病院を調べよう? 台湾ではどんな治療を受けられるんだろう?」と、ネットで検索する毎日。そのため、台湾で治療をおこなうには、台湾人の夫の協力が必要不可欠でした。今後も息子のためにいい方法が見つけられるよう、夫婦で話し合っていきたいと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:鈴木けいこ/女性・主婦。日本人と台湾人のハーフである3歳の男の子の母。台湾在住。息子が2歳半のときに発達障害の診断がおり、現在台北の病院で療育中。主に台湾での子育てについて執筆中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています