風邪などで赤ちゃんへ薬を飲ませなくてはいけないときに、飲ませ方に苦労されている方は多いかと思います。今回は、赤ちゃんへのお薬の飲ませ方についてお話ししていきます。
基本的なお薬の飲ませ方
粉薬は通常、服用直前に少量の水や湯ざましを加えて混ぜ、スプーンやスポイトで口の中に入れ、その後、水や白湯などを飲ませます。話しかけて飲ませ、じょうずに飲めたらほめてあげましょう。
シロップなどは、スプーンやスポイトで同様に飲ませます。
ミルクや搾乳には混ぜるのはNG!
粉薬やシロップを育児用ミルクや搾乳に溶かして飲ませる方がいます。これはやっている方も多いのですが、実はNGです。
育児用ミルクや母乳(搾乳)の味を変えてしまうと、嫌がって通常の育児用ミルクや搾乳を飲まなくなってしまうリスクがあります。同様に、食べるのを嫌がるようにならないよう、おかゆなど主食に混ぜないようにしましょう。粉薬は、水や白湯で溶かすようにしてください。
哺乳びんであげると、哺乳びんを嫌がるようになるお子さんもいるので、基本的にはスポイトやスプーン、薬杯であげるようにしましょう。
粉薬を飲むのを嫌がって飲んでくれない! どうしたら良い?
赤ちゃんは、粉薬の「苦味」「におい」「ざらつき」等が原因で嫌がることがあります。最近では味やにおいを工夫して飲みやすくしている薬もあります。
特にジェネリック製剤で工夫されている薬もあるので、薬剤師に相談されると良いかと思います。
どうしても飲まない場合には、次のような方法を試してみてください。
①ペースト状にして飲ませる
小皿などに粉薬と少量の水を加え、練ってペースト状にします。(水が多いとまとまりづらいので少量にします)口の中の頬の内側や上あごに塗りつけ、水、湯ざましなどを飲ませます。舌先は苦味を強く感じるので避けましょう。白湯を嫌がる場合は、母乳や育児用ミルクをあげます。
②飲食物に混ぜて飲ませる
薬の味を隠すため、赤ちゃんが好む飲食物に少量混ぜて一緒に飲ませます。
酸味がある飲食物(オレンジジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ヨーグルト等)に混ぜるのは避けましょう。薬のコーティングがはがれ、余計に苦味が出たり、効果が弱くなる薬もあります。
また、熱いスープや食べ物に混ぜると、薬の品質が損なわれることがありますので、避けましょう。
粉薬を飲食物に混ぜたまま長時間放置すると苦味が増したり、変質したりすることがありますので、飲ませる直前に混ぜるようにしましょう。
③アイスクリームなどに包み込んで飲ませる
冷たいと味覚が鈍るため、アイスクリームやシャーベットなどに包み込むようにして飲ませます。
また、服用を補助するゼリー状の商品に薬を包んで飲ませる方法もあります。
まとめ
お薬の種類によっても注意点が変わることがあるので、お薬に適した方法は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。また、赤ちゃんがおなかがいっぱいのときは、なかなか薬を飲んでくれなかったり、体調がよくないときはいつもより機嫌が悪かったり、ぐっすり眠っていることも多く、薬をいつ飲ませたら良いか迷うこともあるかと思います。
例えば、食後の指示の処方薬が必ず食後に飲まないといけない薬かなど、タイミングや飲まないときの対処方法も医師または薬剤師に確認しておきましょう。
【引用参考文献】
五十嵐隆 監修
一般社団法人日本小児総合医療施設協議会 編集
乳幼児・小児服薬介助ハンドブック