器官形成期、できれば薬は飲みたくない
妊娠3カ月のある日、上の子がひいた風邪がうつって咳が出始めました。胎児への影響が心配で、なるべく薬は服用したくないと考えていました。しばらくしたら治るかなと思い、1歳と6歳の子どもたちと普段通りの生活を送ることに。ですが、咳は治まるどころか、ますますひどくなるばかり。
これまで喘息を発症したことはありませんでしたが、このままでは喘息になってしまうのではないかと懸念し、産婦人科を受診しました。先生からは「ステロイド薬はうちの病院で出せないから、今回処方する漢方薬でダメだったら、内科を受診してね」と言われ、その日は帰宅しました。
症状が悪化。内科を受診したところ…
漢方薬では咳が治まることはなく、夜は何度も咳で目を覚ますようになりました。さすがに体がきつくなってきたので、内科を受診することに。
すると、激しい咳で肋骨が疲労骨折していました。胸の音を聞いてもらうとまだ喘鳴(ぜんめい)はなく、喘息にはなっていないとのこと。
私が「できるだけ薬は飲みたくない」と伝えたので、妊娠中でも服用できる薬の中でステロイドが入っていない薬をもらって帰りました。しかし、咳はひどくなる一方。数日後に再度内科を受診しようと思いましたが、あいにくその日は休診日。翌日まで我慢することになりました。
内科での診断結果に衝撃を受け…
翌日内科で胸の音を聞いてもらうと、「喘鳴がしているので、喘息になっている」と言われました。そして、ステロイドの入った吸入薬を処方されることに。「経口薬ではないので体内に入るのは微量です。赤ちゃんへの安全性は高いと言われている薬だから……」と説明を受けました。
吸入薬を使いながら妊婦生活を終え、娘は元気に誕生。吸入薬は産後しばらく使い続けましたが、今は風邪をひいて軽い喘息症状が出たら使用する程度です。
「風邪のひき始めに療養したり、喘息症状が出る前にきちんと医療機関を受診し薬を服用したりしていれば、喘息症状が出ずに済んだかも」と後悔しています。ですが、今さら悔やんでも仕方がないので、「何より娘が元気に生まれてきてくれてよかった」と前向きに考えるようにしています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/しおん
著者:福田ひろみ
2男1女の母。3人の子どもはそれぞれ12歳、7歳、5歳で、性格は三者三様。夫は単身赴任中につき、ワンオペで子育てしている。