初めての妊娠。妊娠初期に微量の出血が…
望んでいた初めての妊娠。妊娠がわかってから1カ月を過ぎたころ、微量の出血があり、すぐに産院へ行きました。医師からは「今、母子手帳を渡す準備をしてもいいけど、次回心拍が確認できなかったら返却する覚悟はあるかな?」と聞かれました。私は「次回心拍が確認されたらお願いします」と答え、次の診察で無事に母子健康手帳をいただきました。
この出来事のあとも、つわりが来て1カ月間は食べては吐き戻す生活をしていました。
わが子に会えるのが待ち遠しい日々
その後はトラブルもなく過ごすことができました。そして、出産予定日の1カ月半前に里帰りをし、生まれてくる日を楽しみに待っていました。
しかし、出産予定日になっても生まれてくる気配はなく、そこから毎日2回散歩をする日々。「初産は予定日より遅れるから」という言葉を頭に浮かべながら、わが子に会える日を待ち望んでいました。
破水した!と思って病院へ行くと…
出産予定日から8日後の夜中。布団が濡れている感覚がして起きると、水が一気に出てきました。私は「これが破水なんだ!」と思い、すぐに産院へ連絡。出産の準備をして向かいました。破水検査の結果、破水ではないことが判明。医師から「破水はしていません。予定日も過ぎているし、赤ちゃんの頭も下がってこないから帝王切開にしましょう」と言われました。
翌日の昼に帝王切開の手術をすることが決まり、すぐ入院となりました。その間、モニターをつけて赤ちゃんの心拍や胎動を確認したり、翌朝からは帝王切開の準備のため点滴の管をつけたりしました。手術台に上がって脊椎に麻酔を打ってからは10分ほどであっという間に産声を聞きました。
翌日、ようやく赤ちゃんと感動の対面。ですが、ふと冷静になったとき、あれは破水じゃなくなんだったんだ!?もしかして……と顔が真っ赤になりました。先生は何も言いませんでしたが、もしかしたら失禁だったのかもしれません。
帝王切開の出産が決まったとき…
私は自然分娩を希望していました。なぜなら、母が3日かけて私を産んでくれた話が大きく影響していて、私も自然分娩で子どもを産みたいと思っていたからです。
帝王切開が決まったときは出産予定日が過ぎていたのもあり、自然分娩で産みたいなという気持ちよりも、「赤ちゃんに会えるんだ」といううれしさのほうが勝っていました。しかし、手術台に行く1時間前から徐々に緊張でドキドキが強くなりました。いざ手術が始まると、「2人目以降も自然分娩は経験できないんだな。おなかに傷が残るんだな」という気持ちが湧いてきて、悲しく涙が出てきました。しかし、産声を聞いた途端に感動とうれしさに満たされ、さっきとは違う涙が流れてきました。
帝王切開も大変で立派な出産なのですが、入院生活の間、自然分娩ではないことに負い目を感じて過ごしていました。しかし、看護師長さんの「帝王切開の跡は一生の宝物だから」というひと言で少しずつ前向きになれ、気持ちも明るくなっていきました。
帝王切開のあの痛みはもう経験したくないなとそのときは思いましたが、現在3人の子育てをしています。帝王切開の痕は私にとって大切な大切な勲章です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:キタまる子/女性・主婦。3人の子どもを育てているママ。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています