生理との向き合い方が変わったきっかけ
私の中で生理との向き合い方に変化があったのは21歳のころ。競泳の日本代表選手に選出されたのがきっかけです。
私は今まで、特に生理痛がひどいとか、経血量がかなり多いということはなく、いたって一般な生理だったと思います。それゆえ生理との付き合い方も100%運に任せていましたが、一世一代の大舞台を控え、生理を理由に後悔はしたくないと思ったのです。
事前合宿、遠征、国内の試合とスケジュールが詰まっていたので、生理をずらせないかと考えて、初めて産婦人科を受診することにしました。
低用量ピルとの出合い
産婦人科の独特な雰囲気に少し緊張しましたが、先生はスポーツに理解がある方だったので、よく相談にのってくれました。そして、提案されたのが低用量ピルの服用です。
ピルといえば個人的に避妊目的のイメージが強かったので、最初は抵抗がありましたが先生から話をきき、しっかりと理解できたので服用することに。毎日1錠を服用し、服用をやめると生理がくるしくみです。
最初は腹部の違和感や倦怠感など副作用もありましたが、1カ月もすればなくなりました。そして、結果、生理痛も激減し、大会も万全の状態で臨むことができたと思います。それから、生理予定日を調整できる便利さもあって、現役引退するまで1年半ほど愛用しました。
悲劇はここから
ここまで快適ならずっと飲み続けてもいいなと感じていましたが、現役を引退し、特に目的もなかったのでピルの服用をやめてみることにしました。
すると……しばらくの間、生理がこなくなってしまったのです! 最初のうちはさほど気にしていませんでしたが、3カ月越えたあたりから不安になり私は婦人科へ。そして、医師から生理を促す薬を処方してもらい、毎日飲み続け半年後、ようやく生理が戻りました。
快適だと思っていたピルでまさか困ってしまうことになるなんて……。その後は生理が戻ったのでひと安心ですが、何かおかしいなと思ったら、すぐに産婦人科を受診することの重要性を実感しました。生理は痛いし面倒ですが、母になるという憧れもあるので、自分の体を大事にしないとなと後悔する出来事となりました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※長期間ピルを服用していると、服用をやめた際生理がこなくなることもありますが、それでも2〜3カ月ほどで生理がくる場合がほとんどです。3カ月以上生理がこないときは、婦人科を受診してください。
著者/高野あかり
医療監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック 院長)
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