妊娠中から赤ちゃん返りがひどい長女
これは、私が第2子となる長男を出産したときのお話です。私は元々シングルマザーで、8歳の長女を連れて夫と再婚しました。長女はとても甘えん坊で、小学生になってからも、毎日私の腕枕で寝ていたほどです。再婚を経て、長女が9歳のときに長男を妊娠。
私が最初に長女に妊娠を伝えたときは「弟か妹ができる!」と喜んでいましたが、日に日に赤ちゃん返りがひどくなり、情緒不安定になっていきました。「やっぱり赤ちゃんいらない、私だけのママがいい」と涙を流す長女を私はギュッと抱きしめ、「赤ちゃんが生まれても、〇〇(長女)のママだよ。〇〇のこと大好きで大切だよ」と、長女に寄り添うことを心がけていました。
ついに出産当日! 長女の反応は?
長男の出産予定日当日、長女と眠っていた私は深夜2時ごろに破水したことに気がつきました。夫に声をかけて長女をお願いし、私は産院へ。すぐに陣痛がこず、そのまま朝を迎えることに。夫から、朝7時ごろに「〇〇(長女)が『起きたらママがいなかった』と泣いていたよ。これからごはんを食べて、〇〇とそっちに行くね」と連絡がきて、8時ごろに夫と長女が到着。
ちょうどそのころ陣痛がき始め、9時過ぎに長男が誕生しました。すぐに私の胸の上に長男が乗せられ、ほんの数分過ごしたところで長男は処置のため、私と離れ離れに。長男が処置から戻ってきて、病室にいた長女に抱っこしてもらうと「わぁーかわいい! 私の弟だ」と、ニコニコと喜んでいました。
長女に気をつかい、長男を抱っこせず…
私は長女が素直に長男の誕生を喜んでくれたことに安堵しましたが、「長女が無理していないかな」と心配で、その日は長男を抱っこしないことにしました。私は面会終了時間まで長女をかわいがり、たくさん長女を抱っこしました。面会終了時間になり、夫と長女は帰宅。
出産当日は母子別室ということで、助産師さんが長男を迎えにきてくれ、新生児室へ。そのときは、私自身が出産で疲れていたのとお産中の出血で貧血になったこともあり、長男を抱っこしていないことについて考える余裕はありませんでした。ですが、日が経つにつれ、「出産当日、少しでも長男を抱っこしてあげればよかった」という思いが強くなっていったのです。
毎年、長男の誕生日が近づくと、私は長男を出産したときのことを思い出すのですが、「出産当日に抱っこしなくて、ごめんね」といまだに思います。長女が帰宅したあとに、抱っこしてあげればよかった……。その後悔を埋めるように、長男は現在5歳ですが、たくさん抱っこしたり、おんぶしたりしています。
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著者:吉川 みきな
15歳女の子と5歳と1歳の男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。