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離婚する前に知ってて損なし!シンママ・シンパパが受けられる制度って?「お金」の準備は何をする?

ファイナンシャルプランナーの大野先生が、離婚する前に知っておきたい、離婚にまつわるお金の話やシングルマザーやひとり親が受けられる制度について詳しく教えてくれました。知っているといざという時に助かる制度もありますよ。また、離婚を考える状況になった時に、お金についての準備や計画など今後のライフプランの検討はとても大切なことです。ぜひ確認しておきましょう。

この記事の監修者
監修者プロファイル

ファイナンシャルプランナー大野高志

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計 代表取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
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厚生労働省が公表している『令和4年度 離婚に関する統計の概況』によりますと2020年(令和2年)の離婚件数は約19万3千組で、離婚そのものは珍しいことではありません。弁護士とは異なり、ファイナンシャルプランナーは法律の専門家ではないため、離婚そのものを専門的に扱っているケースは少ないのですが、離婚前に財産の整理や今後のライフプランについてご相談される方も増えています。

そこで今回は、離婚前に知っておきたいお金に関する準備や制度についてお伝えして参ります。

 

1.離婚する前に共有財産の確認をしましょう

結婚している期間に夫婦で作った資産は離婚する際に分配をしますが、このことを財産分与と言います。

結婚後に貯めた預金は配偶者名義の口座だからと言ってすべてが配偶者のものというわけではありません。その一方、結婚前から貯めている預金は個人のものですので財産分与の対象になりません。預貯金以外に不動産、自動車、家電や家具等の家財、株や投資信託等の有価証券、貯蓄性のある生命保険・損害保険なども対象となります。相手に暴力や不貞行為などの離婚原因がある場合は、財産分与とは別に慰謝料が請求できる場合があります。また、未成年の子どもがいる場合に、子どもと一緒に暮らす場合は、財産分与・慰謝料とは別に養育費を請求することができます。二人で納得できる金額であれば、弁護士等の相談や仲介は不要ですが、主張が折り合わない場合等には弁護士に頼ることも検討されると良いでしょう。

 

2.離婚後に必要な資金の準備やライフプランの作成をしましょう

離婚をする場合には、生活環境も変わるため新生活に必要な費用を確認し、準備をしましょう。

主なものは、①引っ越し費用、②住居費用(敷金・礼金・仲介手数料・前家賃等)、③家財(家具・家電等)、④休職や転職をする場合には当面の生活費などが該当します。実家に帰るか住まいを新たにするか、仕事を継続するか転職をするかなどで用意する金額も異なりますので、大目に見積もっておくと安心です。

また、ご自身やお子さんを引き取る場合には、家計も離婚前とは大きく変わるケースが多いので、少なくてもお子さんが社会人になるまでかご自身が退職をするまでのライフプラン(収入・貯蓄の推移と大きく支出のあるライフイベント)は大まかにでも作成すると良いでしょう。

お仕事や大きな支出の優先順位などをどうするかを決めることで、経済的な面で離婚できるかどうかを検討する材料にもなります。

 

3.養育費の不払いを防ぐ財産開示手続とは

養育費がしばらくして支払われないケースが多いと耳にすることあると思いますが、それを防ぐ手段として財産を差し押さえる必要があります。その差し押さえができず養育費が支払われない理由の一つとして、「相手にどのような財産があるか分からない」ことがありましたが、相手の財産が分かるようするために「財産開示手続」をすることができます。この財産開示手続が2020年以降の法改正により養育費不払いを理由とした場合、今までよりは容易に手続きができ、強力な内容となりました。また、本人以外に勤務先や金融機関等から情報が得られるようになりました。

なお、この制度を利用する場合に一人で手続きすることもできますが、難しい場合には弁護士に相談すると良いでしょう。

 

4.児童扶養手当の対象になるか確認をしましょう

児童扶養手当は児童手当とは異なる制度です。子どもが一般的に高校を卒業するまで(正式には18歳に達する日以降の最初の3月31日まで)か、20歳未満の障害者の養育者に対し、児童扶養手当が支給されます。保護者の所得や対象となる子どもの人数によって支給額が異なります。

例えば、対象の子どもが1人で、所得の要件が基準内の場合には、最高額で月額43,070円が支給されます。詳細な支給要件や手続き方法については、お住まいの市区町村のホームページ等で確認をしてください。

 

5.年金分割の手続きをしましょう

配偶者より年収が少ない場合や、扶養になっている(第3号被保険者)期間がある場合には、離婚後に手続きをすることによって、将来受け取れる年金額が配偶者の年金から分割して受け取れます。2つの制度がありますので、概要をご紹介します。

なお、いずれも結婚している期間の年金額が対象となり、結婚前・離婚後の期間は対象外です。

 

①合意分割制度

合意分割制度とは、離婚後に以下の条件に該当したときに、請求により、結婚をしている期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割することができる制度です。

 

・婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること。

・当事者の合意または裁判手続きにより按分割合を定めたこと。(合意がまとまらない場合は、一方の請求によって裁判所が按分割合を定めることができます。)

・請求期限(原則、離婚をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと。

 

②3号分割制度

3号分割制度とは、離婚後に以下の条件に該当したときに、扶養されていた人(国民年金の第3号被保険者であった人)からの請求により、2008年(平成20年)4月1日以後の結婚をしている期間中の第3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。

なお、「3号分割制度」については、当事者の合意は必要ありません。

 

・婚姻期間中に平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間があること。

・請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと。

 

 

 

 

離婚について具体的に話し合ったり、手続きをしたりする場合に、準備をあまりしないで進めてしまうケースも少なくないのですが、ある程度時間を掛けられる場合には、お金についての準備や計画をしながら、制度についても利用できるものがないか確認しましょう。離婚をする場合には、事前の準備と行政の制度によって、経済的な面ではカバーできることもありますので、今回お伝えしたことをご確認いただければと思います。

 

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