ダウン症に詳しい人ってどこにいるの?
私はダウン症の次男を出産したとき、とてもショックで1カ月間、毎日泣いて過ごしました。毎日泣いて過ごしながらも、私は「ダウン症には早期療育が必要と言われているけど、療育って何? どうやって始めたらいいの?」「障害があっても保育園に入れるのだろうか?」「利用できる福祉サービスは?」など、日々たくさんの疑問が……。
区役所に行って福祉サービスについて聞くと「保健センターが窓口になるので、そちらに行ってください」と言われ、保健センターへ行くと「詳しいのは区役所のほうなんです」と、区役所や保健センターをたらい回しにされたこともありました。
結局、一番正しい情報を教えてくれたのは、ダウン症の親の会で知り合った先輩ママでした。
ダウン症専門のコンシェルジュになりたい
こういった経験をして「これからダウン症の子を出産する人が、私と同じように困ることがあるのではないだろうか? そうならないように、福祉サービスの手続きや内容に詳しい“ダウン症専門のコンシェルジュ”になって、ダウン症児を出産して困っている人たちに寄り添いたい」と思うようになりました。
現在では、SNSに出産直後の暗い気持ちをそのまま文章として残したり、福祉サービス利用までの経緯や手続き方法について投稿したりしています。実際に、私のSNSを見た方から「先日ダウン症の子を出産してショックで毎日泣いていますが、あなたの過去の投稿を見て、とても共感して救われました」とメッセージをいただくこともあります。
次男を出産した直後は、障害児の親になったことのショックが大きく、「私がこの子を心からかわいがる日なんて、こないのではないか」と思っていました。ですが現在、1歳2カ月になった次男を心からかわいい、愛おしいと思いますし、次男のおかげで「ダウン症専門のコンシェルジュになりたい」という新たな夢ができたことを、うれしく思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 松田玲子
イラスト/森田家
著者:吉川 みきな
15歳女の子と5歳と1歳の男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。