「救急車を呼んで!」
慌てて寝室に向かった私たち。息子は布団の上で泣き叫んでいました。
背中をトントンしてあげたらだいぶ落ち着き、また眠ってしまった息子。なんだか胸騒ぎがした私は、そのまま添い寝をすることに。
すると、1時間後くらいに、息子が「うー…うー…」とうなり始めたのです。さらに体が震え始めました。育児書で見たけいれんだと気付き、すぐさま夫を呼んだ私。夫が来てくれるまでの10数秒が長く感じました。
夫に体温計を持ってきてもらい、熱を測ると39度超。坐薬を入れようとしたら、また息子の体が震え出し、けいれんが始まってしまいました。
どこかで「一度に2回のけいれんは危険だ」というのを聞いた覚えがあったので、夫に「救急車を呼んで!」と叫びました。
ぐったりした息子を抱えて外に出て、そのまま救急車に乗り込んだ私。救急車の中で再度体温を測ると、39.9度。そのまま病院に向かうことになりました。
つらそうな息子でしたが、意識を取り戻して「ここはどこ……?」と聞いてきました。「救急車の中だよ」と答えると、高熱があるにもかかわらず大興奮。うれしそうに車内を見回し、はしゃぎ始めました。
息子の生年月日を確認した救急隊員さんも、息子に「今日お誕生日なんだね!」と声をかけてくれました。憧れの救急隊員さんにお祝いされて、ますます息子は大はしゃぎ。
結局、熱性けいれんの診断を受け、症状からそのまま1週間入院することになった息子。とんだ誕生日となってしまいましたが、大好きな救急車に乗れて、憧れの救急隊員さんとお話できて、息子はとてもうれしかったようです。
わが子の初めてのけいれんだったので、私も気が気ではありませんでした。しかし、意識がもうろうとしていた息子が「救急車」という言葉に反応し、目に輝きを取り戻したのを見て少し安心したのを今でも思い出します。
その後、何事もなく無事に4歳を迎えた息子。一番お気に入りのおもちゃは、やっぱり救急車のミニカーです。
◇ ◇ ◇
子どもがけいれんしていたら驚いてしまいますよね。日本小児神経学会のHPによると、こどものけいれんは熱の上がり際に多く起こり、熱性けいれんと言うそうです。ほとんどの熱性けいれんは5分以内に自然に止まるので、慌てずに、子どもがけがをしないよう、安全な場所に寝かせたり、吐いたときに息がつまらないよう体を横向きにしたりすることが大切なのだとか。
5分以上続くようであれば、救急車などで病院に搬送することがすすめられ、また初めての熱性けいれんの場合は、救急外来などの医療機関を受診すると良いそうです。 判断に迷ったら、かかりつけの小児科または小児救急電話相談(#8000)に相談しましょう。
子どものけいれんについて、知識と理解を深めておき、起こったときにできるだけ冷静に対処できるよう心がけたいですね。
イラスト/きりぷち
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:小林りこ
4歳息子と0歳娘を育てる教員ママ。最近始めたポイ活にハマり中。